自分で決断を下さねばならない時、つのる不安

頼りにできる人がいれば、何かと心強いものですが、もしも、相手に頼りっきりの状態では、自分の立場は弱くなってしまいます。依存性パーソナリティ障害には、ご注意くださいね

頼りにできる人がいれば、何かと心強いものですが、もしも何をするにも、その人に頼りきっていたら、独立独歩の精神が損なわれるだけでなく、その人に頭が上がらなくなってしまいます。

もしも、その相手から理不尽な扱いをされても、相手が自分から去ってしまうのを恐れるあまり、文句も言えなくなっていたら、「依存性パーソナリティ障害」の可能性も出てきます。

今回は、依存性パーソナリティ障害の特徴、原因、症状、治療法について、詳しく解説します。

依存性パーソナリティ障害の特徴・原因

依存性パーソナリティ障害は、独立独歩の精神が乏しくなってしまうほど、自分が頼りにする相手に、何をするにもアドバイスや承認を求めてしまうのが特徴。弊害として、その相手に対して非常に弱い立場になってしまうことが挙げられます。その他、職場などにおいても、責任を求められる立場を避けるなど、社会生活上、他人に従属的な立場に立ちやすくなります。

依存性パーソナリティ障害の頻度は、全てのパーソナリティ障害中、約2.5%。性差で見ると女性に多く、また家庭内では下の子であることが多いです。依存性パーソナリティ障害の原因自体は不明ですが、小児期に、病気で長期療養を強いられた体験が、後の依存性パーソナリティ障害の発症につながる可能性があるようです。

依存性パーソナリティ障害の症状

依存性パーソナリティ障害では以下のような症状が、通常20代までに、顕著になります。
  • 自分だけで物事を決められず、新しい事を始める事が困難になっている
  • 自分の生活を仕切ってくれる人を必要とする
  • その相手から理不尽 な扱いを受けても、文句を言えなくなっている
  • ある一定の時間以上、 一人きりになると不安が強くなる
  • 自分が頼れる相手として、パートナーを切実に求める
  • 自分の味方をしてもらいたい人のために、嫌な事でも、すすんでしてしまう
  • 自分ひとりで生きて行かねば、ならぬ状況への恐怖感が強い

依存性パーソナリティ障害の治療法

依存性パーソナリティ障害の治療では、自己の日常的行動の心理的背景を理解し、相手に依存したい気持ちを抑え、独立独歩の精神を伸ばしていくために、心理療法を行います。

依存性パーソナリティ障害の予後は一般に良好ですが、簡単には解決できない問題が生じる場合もあります。例えば、患者が交際相手から何らかの虐待を受けていて、第三者の目から見れば別れるべき関係であっても、相手への心理的依存が強い場合は、別れるべきか否かの葛藤に立たされてしまい、なかなか離れることができないこともあります。

薬物療法が必要か否かは個々人の病状によります。気分が大きく落ち込んだり、不安が強くなってしまう場合など、薬物療法が望ましくなるケースは少なくありません。具体的な治療薬に関しては、気分の強い落ち込みに対しては抗うつ薬、強い不安感には抗不安薬……など、状況に応じて選択されます。

依存性パーソナリティー障害では、自分が頼りにしている相手に対して、自分の意見を聞いてもらえないほど、弱い立場に立たされてしまい、心の苦しみが大きくなってしまっている場合が少なくありません。こうした場合、心の苦しみを軽減させ、日常生活の質を改善させる為に、精神科(神経科)受診という選択肢があることを、ぜひ、覚えておいてください。
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