ホンダのこだわり満載のインスパイアが100万円台(2ページ目)

ホンダらしい、こだわりの走りが魅力

ホンダと言えば、やはり走り。もちろん（いくら家庭環境が複雑とはいえ）そのDNAはこのインスパイアにも色濃くどころか、かなりドロッと流れています。例えば重心。エンジンをまず先代より10mm低くマウントし、さらにエンジンのロール中心をエンジン重心より低くするために、サイドマウントなどの配置を工夫しています。またロールセンター高をあえて高くし、しかも車体のロール軸を前下がりに設定することで、旋回時のロールを抑制しつつつ「ドライバーの気持ち良さ」にこだわっています。もちろんその他にもホンダらしい走りの技術がetc.。

また可変ステアリングギアレシオ（VGR）を採用し、車庫入れ時などには操舵量より大きくタイヤが切れ込むのでラクラク駐車できるいっぽうで、高速走行時では安心感のある操作感を、コーナリング時には確かな手応えをドライバーに与えてくれます。実際、走らせてみるとやはり運転席が一番楽しい。高速道路でのステアリングはどっしりとしていて、車線変更では5m近くの巨艦がまぁ気持ち良くひらりひらりと。乗り心地はしっとり＆じわっと系です。

2800mmというロングホイールベースで、かつ低床化も図られたため、室内は広々。後席で足を組んでも空間を持て余します。またエンジン振動を予測して打ち消すアクティブコントロールエンジンマウントや、室内のエンジンのこもり音をこれまた打ち消すアクティブノイズコントロールを備えるなど、アッパーミドルクラスセダンにふさわしい静粛性のための装備も、ぬかりはありません。もちろんそのほかの装備類もアッパーミドルクラスらしいものです。

レギュラーガソリン仕様で、ホンダらしい走りへのこだわりがあって、アッパーミドルクラスとしての素性も文句なしのインスパイアですが、やはりクラウンや欧州車などと比べるとどうしても陰が薄い。その一因は先述したように「アコードでもあってレジェンドなみの大きさで……」なんていうポジショニングの曖昧さかも知れません。しかし、そもそも内容からすればお買い得の車であり、特に中古車は明らかにおいしい。ポジションなんて気にしない、「どこの会社で働こうが、オレはオレだ！」的な人がいますが、そんな感じの車です。肩書きや名刺で仕事をしない。そういう生き方って素敵でしょ？

このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。

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