クラウンやフーガと同じような価格帯に


気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はAMG Cクラス(旧型)をご紹介したいと思います。小さなボディに大排気量と聞くだけで、私などは背中を蹴飛ばされるような加速を思い浮かべ、思わずゾクゾク(顔はニヤニヤ)してしまいます。とはいえ、高級車の代名詞でもあるメルセデス・ベンツのCクラスがベースで、同社のモータースポーツ部門であるAMGが手がけた車ゆえ、新車時価格はC32でも870万円しましたから、庶民には高嶺の花もいいところでした。

AMG Cクラス フロント

トヨタプレミオ(現行)よりも短いボディサイズに353psとか367psのエンジンをぶっ込んでいると考えただけでもワクワクします。しかもそれをATでラクラク操れるなんて、中年の私にはうれしい限り

しかし、高嶺の花もいずれは歳をとります。2001年のデビューから9年が経ち、ようやく100万円台の中古車が何台も見つかるようになってきています。最安値は新車時価格から732万円も値落ちした138万円のC32(2002年式/8.6万km/修復歴なし)。ゼロクラウン(旧型のトヨタクラウン)や、日産フーガ(旧型)あたりと同じような価格帯と、庶民にも十分楽しめるところまできたのです。

AMGのCクラスはまず、2001年にC32が、2003年にC55が登場しました。C32はV6 3.2Lスーパーチャージエンジンが、C55にはV8 5.5Lエンジンが搭載されています。もちろんその全身に、AMGの手が加えられているのは言うまでもありません。

AMG Cクラス リア

C32は2本、C55は左右にそれぞれ2本の計4本、AMGのスポーツエグゾーストマフラーが顔をのぞかせています。奏でる音が、室内にいるドライバーを刺激してくれることは言うまでもありません

そもそもAMGは、1967年にハンス・ヴェルナー・アウフレヒトがパートナーのエバハルト・メルヒャーと設立した会社でした。アウフレヒトのA、メルヒャーのM、そしてアウフレヒトの出生地であるグロスアスバッハのGをとってAMG社と名乗ります。以来モータースポーツで次々と成功を収めていくのですが、ベース車がメルセデス・ベンツの車であったため、本家メルセデス・ベンツ社から「あいつら、すごいじゃん」と注目されるようになり、ついに1988年に同社と正式に提携することになります。

こうして1993年、メルセデス・ベンツとの提携下で初めて開発されたC36(旧々型Cクラスがベース)が登場。これ以降、メルセデス・ベンツ社のカタログにAMGによるチューニングマシンが掲載されるようになっていきました。今年6月には、初めてAMGがイチから手がけたハイパフォーマンススポーツカー・SLS AMGが日本でも販売されるようになりました。

世の中がどんどんエコへと突き進み、各メーカーがハイブリッドカーの次と目される、電気自動車の覇権を争い始めている中で、AMGが手がけるモンスターマシンはますます一部のお金持ちしか乗れない車になってしまうのかもしれません。

もちろん、それらが中古車になって流通してくれれば、我々庶民もAMGの技術を堪能できるのでしょうが、乗ると世の中から白い目で見られるようになってしまうのかも……。中古車に乗ること自体、「もったいない」精神の一つなんですからエコなんですが、いちいち白い目をした人に説明するのも面倒そう。

今はまだ、そこまで迫害(!?)されることはないでしょうから、タイミング的にはもしかしたらギリギリなのかも知れません。それでも食したい熟したAMGの味。そのモンスターの魅力を、次ページでさらに詳しく見ていきましょう。