ステーショナリー・文房具/鉛筆ブランドの歴史とフラッグシップモデル

ステッドラーの歴史と鉛筆(2ページ目)

ステッドラーの歴史と、代表的な鉛筆を紹介します。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

1930年に生まれた最高峰の現役鉛筆

製図用高級鉛筆「マルス ルモグラフ(HB)」168円

製図用高級鉛筆「マルス ルモグラフ(HB)」168円

制度や設備を整えて会社はさらに成長。1965年には、完全製造による初のサインペン「ナイロスティック」が登場した。そのファイバー・チップの研究をさらに進め、ルモカラー「オーバーヘッド・プロジェクター用ファイバーチップペン」も発売。革新をもたらした。画期的な商品はその後も数多く生み出されたが、記憶に新しいのは2000年に登場した“ドライセーフインク”を使用したマーカー類。キャップを外したままでも数日間はペン先を乾燥から守ってくれる。また2002年には「エルゴソフト」シリーズを開発。ソフトな表面加工と三角の形状により、心地良いグリップ感を実現した。そしてその発想は、2003年発売の「トリプラスシリーズ」にも受け継がれた。

そうした革新的な筆記具を輩出する一方、ステッドラーには伝統もしっかりと根付いている。それを象徴するのが、美しいマルス・ブルーの「マルス ルモグラフ」だ。もともとはマルス製図用鉛筆という商品だったが、1930年に改名。商品番号も100番に改訂された。最高級の製図用鉛筆として現存し、製図、アート、デザインといった分野のプロフェッショナルユーザーを中心に厚い信頼を得ている。紙への定着性が良く均一な線が書ける一方、消字能力にも優れる。また、純度が高く粒子の揃った黒鉛と粘土を配合した芯は滑らかな書き味で、芯粉も少ない。さらに(とくに2H~2Bは)筆圧に対して強度が高いので芯が折れにくく、軸尾のシール加工で湿気による変質も防止している。そして硬度は8B~6Hの16種類と豊富。まさにステッドラーの歴史を体現する名作だ。

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ステッドラー

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