ファーバーカステルの歴史=鉛筆の歴史

18世紀の家具職人。創業者のカスパー・ファーバーは家具職人から鉛筆職人へ転身した

18世紀の家具職人。創業者のカスパー・ファーバーは家具職人から鉛筆職人へ転身した

ファーバーカステルの起源は何と1761年。もともと家具職人だったカスパー・ファーバーが、鉛筆職人として新たなスタートを切ったのが始まりだ。品質の高さは評判となり、アントン・ヴィルヘルム・ファーバーが事業を引き継ぐと、ドイツのシュタイン郊外に工場を構えるまでに至った。さらに「A.W.ファーバー」を会社名として登記し、世界最古の鉛筆製造メーカーとなった。

そして4代目のローター・ファーバーは、すべての自社製鉛筆に“A.W.Faber”と刻印。世界初のブランド鉛筆を誕生させた。今のスタンダードとなっている鉛筆のサイズや六角形の形、HBやBといった硬度の基準もこの時に打ち立てた。さらに近代的な事業設備や社会保障制度なども確立。そうした功績が認められ、1862年にはドイツ・バイエルン州から爵位を与えられた。その後、ドイツ最古参の貴族であるカステルリューデンハウゼン家と血縁関係を結び、両家を合わせた新たな伯爵家、“ファーバーカステル家”は生まれた。

当主が6代目のアレクサンダー・ファーバーカステル伯爵になると、初代の理念を重んじ、クラシックな品質の“ファーバーカステル”ブランドを定着させるために尽くした。その一環として、騎士の馬上試合をモチーフにした「ファイティングナイト(騎士)」を新たなロゴとして採用。1905年に誕生したグリーンの鉛筆、「カステル9000番」は、現在まで続く鉛筆の王道となった。ファーバーカステルの歴史を紐解くと、鉛筆そのものの変遷も見えてくる。

次のページでは、ブランドを象徴する名品を紹介する。