見方によって人は180度変わる
どんな人にもストレングスはある!
「ダメな自分」という強い信念を持っている人は、いわば自分自身のストレングスに気がつかずに生活をしている人です。しかし、どんな人でも、必ずストレングスを持っているのです。
たとえば、自信をなくしてひきこもっている人は、「ストレスから自分を守る行動を積極的にとる力を持つ人」という見方ができますし、人にぶつかってトラブルばかり起こしている人は、「エネルギーを外に向けて発散するパワーを持つ人」という見方ができます。
人の見方など、どこに着目するかによって180度変わってしまいます。「悪いところ」にばかり注目していたら、自分を本当に「ダメな人」だと思いこみ、道がどんどん狭まってしまいます。逆に、どんなに「ダメ」と言われている人でも、自分のストレングスを知り、それを信じ続けて行動すれば、信念から道がどんどん広がっていくのです。
ストレングス探しは「宝探し」!?
ストレングスを見つけるのは、いわば「宝探し」のようなものです。自分という迷宮に潜んでいる宝を、探り出して見つけるのです。死角となっている部分にダイヤモンドがごっそり隠れていることもあります。「原石」を見つけてそれを磨き、宝石に仕上げることもできます。ストレングスを探す際、私は、カウンセリングの場で次のような4つの質問を投げかけて、紙に記入してもらっています。
1. 自分がすでに持っているストレングスとは?
ここは自分の良いところ、自分が持っている「財産」と思えるようなもの。
2. 人からよく言われるストレングスとは?
「あなたって○○ね」と人からよく言われるポジティブな言葉。
3. これなら手に入れられそうだと思うストレングスは?
少し努力すればなれそうだ、と思える自分像。
4. いずれは手に入れてみたいストレングスは?
いつかはこんな自分になってみたい、と目標にする自分像。
具体的に書いていけば、1や2のように自分が既に手にしているストレングスを改めて知ることができます。また、3や4のように未来の自分像を頭に描くことで、そのイメージが強く意識づけられ、なりたい自分に近づいていくことができます。
ストレングスを発掘して自分をエンパワメント!
自分の良さをじっくり見つめ直してみよう
また、この「ストレングス探し」を自助グループやワークショップのエクササイズに用いると盛りあがりますし、人からの意見も聞くことができて、発見が増えていきます。もちろん、1人でじっくり自分を分析しながらストレングスを探していくのもよい方法です。
ストレングスを発掘し、それを増やしていくことで、自分自身の力でやりたいこと、やるべきことを見つけ、決断や実行への努力をしようという動機が生まれます。このように、自分自身で決定したり解決したりできる力を獲得することを「エンパワメント」といいます。
ストレングスを発掘することが、自分自身をエンパワメントすることにつながり、以前より成長した自分を実現できます。ぜひみなさんも、自分のストレングスを発掘してみてください。