ステーショナリー・文房具/ボールペンブランドの歴史とフラッグシップモデル

パーカーの歴史とボールペン

パーカーの歴史と、代表的なボールペンを紹介します。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

万年筆だけでなくボールペンでも紡いできた歴史

創業者、ジョージ・サッフォード・パーカー

創業者、ジョージ・サッフォード・パーカー

パーカーは1888年に創業。初の特許モデルである「ラッキー・カーブ・ペン」により、万年筆が常に抱えていたインク漏れという問題を解決し、厚い信頼を獲得した。「優れたペンを作り上げること」という創業者、ジョージ・S・パーカーのモットーを頑なに継承し、歴史的なイベントと交錯しながら成長を遂げていく。

有名なのは1945年の出来事。ミズーリ号の甲板上で交わされた太平洋戦争終結文書の調印に、マッカーサー総司令官がパーカーの万年筆「デュオフォールド オレンジ」を使用している。さらに1992年には、アメリカとロシアの間で締結された第二次戦略兵器削減条約(START 2)の予備条約調印の際にも、両国大統領が「デュオフォールド オレンジ」を使用した。

一方、初めて発売したボールペンは1945年の「ジョッター ボールペン」。そしてそのDNAは、今日のジョッターシリーズや各コレクションへと受け継がれていく。さらに1991年に行われたロナルド・レーガン大統領図書館のオープン記念式典では、歴代アメリカ合衆国大統領の平和貢献に敬意を表した特別なボールペンを作製。英国王室御用達(ロイヤル・ワラント)に認定されたこともある品質は、ボールペンにおいても認められている。ブランドのアイコンであるアロー(矢羽)クリップが付属している限り、クオリティの高さはお墨付きと言って良いだろう。

次のページでは、現在を象徴するボールペンを紹介する。
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