失恋で髪を切るのは、自分を守る「防衛」!?
失恋したその足で美容院に駆け込んだ経験、ありませんか?
それは、私たちの心に「防衛」というメカニズムが備わっているからです。防衛とは、葛藤や欲求不満、不安などが招く危険な心理状態から自分の心を守るために、さまざまな合理的、非合理的な行動をとろうとする反応のこと。
失恋したときに「髪でも切ろうかな……」という気持ちに駆られるのは、イメージをがらりと変えて失恋の痛手から逃れようとする防衛だといえます。
平手打ち、やけ食い……たくさんある失恋後の防衛
おいしい物を食べれば、しばらくは傷を忘れられる
■ 攻撃……相手や他人、自分などを攻める
振られた腹いせに、相手に平手打ちを喰らわせる。「振られたのはお母さんのせいだ」と八つ当たりをする。「私ってやっぱりダメなのかしら」と自分を責める。
■ 抑圧……素直な思いを打ち消して意識に上らせないようにする
例)「私は振られてない。相手が勝手に好かれていると勘違いしているだけだ」と思いこむ。「そもそも、それほど好きではなかった」と思いこむ。
■ 逃避……別のことをして、事実から消極的に逃がれようとする
例)ブランドの物の高い洋服を買いまくる。やけ食いをする。一人旅に出かける。そして、髪を切る!
■ 退行……子どもっぽい行動をとって自分を癒す
例)1日中布団にもぐって、ぼーっとする。深夜に泣きながら、友だちに電話をする。大雨の夜に裸足で外に出て、泣きじゃくる。
■ 置き換え……妥協して他の対象に目を向ける
例)言いよってきた人のアプローチを受け入れ、付き合う。無関心だった見合い話を受け入れる。「恋人探し」より「友だち付き合い」を楽しむ。
■補償……劣等感を他のことで克服しようとする
例)「恋より仕事!」と、がむしゃらに仕事に打ち込む。きれいになるために、エステ通いやプチ整形に励む。財力や知力で自分を価値づけようと、収入増や勉学にいそしむ。
こうした防衛的な行動をせずにはいられないとき、私たちはどう考えたらいいのでしょう? 次のページで考えてみたいと思います。