北京/北京の観光・世界遺産

北京の聖地・ 九壇(3ページ目)

北京には紫禁城を取り囲むように天壇、祈谷壇、地壇、日壇、月壇、社稷壇、先農壇、太歳壇、先蚕壇という9つの祭祀建造物「壇」が存在。それらを総して「九壇」と呼びます。このページでは北京のパワースポット・九壇の、それぞれの役割と現在の様子を紹介していきます。

鈴木 晶子

執筆者:鈴木 晶子

中国ガイド

7.先農壇「神農氏を祀った聖地」

古代建築博物館

古代建築博物館入り口。大通りから奥まったところに門がある

1420年創設。当初は山川壇と呼ばれていましたが、清代に入って先農壇と呼ばれるようになりました。農業と医薬の祖・神農氏を祭るために建立。皇帝は毎年春(立春前後)ここで祈りを捧げました。

8.太歳壇「太歳神を祀った聖地」

古代建築博物館

北京古代建築博物館の一角に先農壇と太歳壇が存在する

1532年創設。別名・太歳殿。天の運行を司り、天の支配者である太歳神を祀った場所で、皇帝は毎年、旧暦の12月24日と正月の2回、ここで線香を炊いて拝みました。

現在、太歳壇は古代建築博物館として一般公開され、その同じ敷地内に、先に説明した先農壇があるというわけです。館内には原始社会から明清の時代に至るまでの建築関係の展示物が並んでいます。ちなみに古代建築博物館は修復工事を終えて2011年末にリニューアルオープンしました。

<DATA>
古代建築博物館
住所:西城区東経路21号先農壇内
TEL:010-6301-7620
入場:9:00~15:40
料金:15元

 

9.先蚕壇「養蚕の神を祀った聖地」(現・北海公園/門のみ)

先蚕壇

先蚕壇の門。先蚕壇自体はすでに撤去されてしまっている

北海公園

世界最古の皇室御苑・北海公園のメインスポットのチベット仏塔「白塔」

毎年、旧暦の3月、皇后がここで養蚕の神・先蚕を祀りました。妃が代行することもあったといいます。九壇の中で女性が登れた唯一の壇でした。

明代、先蚕壇は現在の安定門外(北京の北部)にあり、その後、西苑(北京の西北部)に移されました。清代になると、遠方で行き難いということから、1742年、紫禁城に隣接する北海公園内に再建されました。現在も先蚕壇といえば北海公園のものを指すのですが一般公開されておらず、公園内から見られるのは入り口だけです。

現在、先蚕壇のあった場所は、政府要人の子息が通うことで有名な北海幼稚園(全寮制幼稚園)の所有地になっていて、壇はすでに撤去されかつての面影はなくなっていると言われています。

<DATA>
北海公園 
住所:西城区文津街1号
TEL: 010-6403-3225
入場:4・5・9・10月 6:00~20:30、6~8月 6:00~21:30、11・12・1~3月 6:30~19:30
料金:4~10月 10元(フリーパス20元)/ 11~3月 5元(フリーパス15元)


さて、九壇の説明はここまでなのですが、実は北京の祭祀建造物はほかにも「八廟」というものがあり、併せて「九壇八廟」と呼ばれます。八廟のほうはまたの機会に書いてみたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね!

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