これからのマンションに求められる、望ましい建て方とは?
少子高齢化に進んでいる今、どんなマンションを選びますか?
現在マンション購入を検討している方々は、人口増加、経済のプラス成長を前提としたこれまでの住宅選びの基準とは180度異なる新しい基準へと移り変わる境目に立たされています。しかも、新しい住まい選びの基準はまだ確立されてはおらず、多くの方々は将来への漠然とした不安を抱えつつ、マンション購入の決断を迫られているのです。
そこで、2020年~2035年の住宅事情がどのように変化していくのか、想像力を駆使しつつ出来る限り明確にしていきます。そして将来の住宅事情を前提とした、新しいマンションの選択基準を導き出していこうと思います。これからのマンションに求められる建て方について考えてみましょう。
少子・高齢化は「買う」「借りる」どちらにもリスクがある
高齢化社会では、寿命の伸びほどには、就業期間は伸びません。たとえば平成21年の日本人の平均寿命が男性79.59歳、女性86.44歳と、ともに4年連続で過去最高を更新しましたが、多くの企業の定年は60歳、延長しても5年程度。働かずに暮らす期間が死ぬまでに25年超、ひとによっては30年超もあるのです。したがって、長寿命であればあるほど、年平均所得は減少します。しかも、家賃は昨今低下傾向にはありますが、過去のトレンドから見て大幅に低下することはありません。そうしたなかで、定年後も25年超の長い間、家賃を払い続けなければならないとしたら、貯蓄が目減りし続け、老後の暮らしに不安を生じさせることになります。
一方、人口減少社会では、終身雇用、年功序列型賃金制度は崩壊せざるを得ません。なぜなら、企業内では賃金の高い高年齢の就業者数が賃金の安い若年就業者数より常に上回ることになり、人件費肥大により企業の収益を圧迫するからです。しかも、企業はコスト競争を生き抜くために経営状態に応じて、正規雇用者のリストラ、積極的な非正規雇用を導入しており、長期の住宅ローンを組んでマイホームを持つことのリスクも生じさせています。
つまり少子・高齢化は、特に大都市に暮らす人々にマンションを「借りる」にしても「買う」にしても、それぞれに悩ましいリスクを生じさせているわけです。だからといって、借りるVS買う、で生涯の住居費比較をしてみても、どちらが有利かは、色々な比較事例を駆使しても甲乙つけがたく、答えはありません。
マンション購入を考えるならば、どのようなマンションが良いかは次のページで。