和製“孫の手”ミニバンにはない欧風ライドフィール
2004年に日本に初登場したコンパクトミニバン。2010年のモデルチェンジでエクステリアはフロントマスクを初め大きく変更、ドアパネル以外は全て一新された。サイズは従来型より全長が15mm短い、全長4405×全幅1795×全高1670mm。ベーシックなコンフォートライン(293万円)と、豪華装備のハイライン(339万円)をラインナップする
だから、国産ミニバンと同じではいけない。もちろん、フォルクスワーゲンにもそのつもりはない。客観的にみて、痒い所に手の届く“孫の手”和製ミニバンに比べると、内外装の表情には面白みに欠けるし、機能操作の手軽さ/馴染みの良さ/安楽さなどでは一歩劣っている。けれども、それとは引き換えに(でもないだろうけれど)、国産ミニバンにはない魅力があることもまた事実で、そしてそれこそが輸入車を買うことの明確な理由になるのだった。
トゥーランが優れている点はといえば、ちゃんと運転しがいのあるクルマであること、である。
運転なんて面倒なだけ、という人には大して評価されないと思う。逆に、そのあまりの道具感にげんなりしてしまうことだろう。運転するという行為を積極的に捉えている人は、一度乗ってみる価値がある。ミニバンが、こんなにも気持ちよく走ってくれるのかと、今さらに驚くに違いない。ドイツ製のミニバンは、もう随分と前からその方向性で進化してきた。
最新の孫の手和製ミニバンが、おせっかいで派手なオバさん風に見えてしょうがないという方には、うってつけである。ミニバンを、使ってもいいが運転したくないクルマ、だと評価していた人にもオススメできる。長距離帰省をしょっちゅう、なんていう家で、子供がまだ幼く、日頃は奥様がアシに使うという場合にも最適だ。
最高出力140ps/最大トルク220Nmを発生する1.4リッターツインチャージャーTSIエンジンに7速DSGが組み合わせられる。エンジンは最大トルクの発生が従来モデルより250rpm低い1250rpmからとなり、街中などで力強い発進に寄与する。10・15モード燃費は14.6km/l