中身が似てるものと対決する
DSから3DSへの世代交代をきっかけに、各メディアが対決ムードで盛り上がりますが、大事なのは中身です。(イラスト 橋本モチチ)
どちらかというと、3DSと競合するのはWiiでしょう。クリスマスプレゼントに3DSがいいのか、Wiiがいいのか、どっちをお願いしようか迷う子供はいるかもしれません。NGPはタイトルによって3DSと競合していく部分もあるとは思います。今の情報からすると、PS3やXbox 360と競合していく部分の方が大きいかもしれません。据え置きハードと同様のゲームが遊べるとして、据え置きハードで十分なのか、それともNGPでしか遊べないようなゲームがでるのか、コアゲーマーの皆さんは気になるところでしょう。特に、モンハンPシリーズがキラータイトルにならない海外では、どうやって据え置きハードと差別化していくかは重要です。
そして、スマートフォンはそもそもゲームを遊ぶために買う人がそれほど多くないんですから、競合するのはゲーム機ではなくて携帯電話やノートPCです。あまりに当たり前すぎる話で恐縮なのですが、その当たり前のことを思い出すと初めて、付加価値としてのゲームが意味を持ち始めます。例えば携帯電話から乗り換える時には、iPhoneだとゲームもすごく面白いよ、というのは差別化のポイントになりますよね。スマートフォンにとってのゲームというのはそういう位置づけのはずです。
というわけで、3者はそれぞれ別のライバルが存在しています。しかし不思議なことに、3DSが発売されたことで今年の年末商戦あたりでWiiに影響が出るのではないかとか、NGPが発売されたらPS3やXbox 360とはどう住み分けしていくんだろう、という話はそれほど取り上げられないんですね。3DSとNGPの組み合わせに、急にスマートフォンまで飛んできて、どれが勝つのか、みたいな話になりがちです。
2011年は3DSを中心に、NGPやスマートフォンとの対決の話というのは、わりと多くなるように思います。ゲーム業界が盛り上がって大変に良いことではありますが、その際には、中身をじっくり見て比べないと、輪郭がぼやけていってしまうかもしれません。
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