粒が揃ってきたPS3
2010年のPS3はキラータイトルなしでも、数字を伸ばした1年でした。(イラスト 橋本モチチ)
いかがだったでしょうか。多くの場合、市場というのはメーカー側の視点から語られるので、お店側から見ると違った景色が見えるのは、ちょっと面白いのではないでしょうか。最後にもう1つ、全体的なPS3の市場について、お話して終わりたいと思います。
最初に、新品のソフト販売本数でもPS3がWiiに猛追しているとお話しましたが、PS3の新品ソフト販売本数は2009年から2010年にかけて伸びています。これは実は大変重要なことです。
2009年にはPS3最大のキラータイトル、FF13が発売されています。逆に言えば、2010年はFF13の分を何かで埋めなければ、ソフト販売本数を伸ばすことはできません。しかし、それほどの大型タイトルは2010年にはありませんでした。
何が言いたいかというと、中古市場のところでも例に出した龍が如く4などのタイトルや、他にもグランツーリスモ5や、白騎士物語 光と闇の覚醒、戦国BASARA3など、中堅タイトルの粒が揃ってきて、それらがたくさん集まることで、FF13の穴を埋めてなお、PS3の市場を成長させた1年だったということです。キラータイトルで盛り上がるというのも素晴らしいことですが、多様なソフトに人気がでて、それで売上が伸びてきたとなれば、こんなにいいことはありません。
2011年は、これまで最も市場の大きかったDSが3DSに置き換わることで、発売タイトル数そのものがいったん急激に縮小することが予想されます。そういう意味でも、PS3はゲーム専門店から売上の柱の1つとして期待されているハードと言えます。粒の揃ってきたPS3が、2011年も大きく成長し、ゲーム業界を盛り上げてくれることを、楽しみにしたいと思います。
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