中古住宅の最大の魅力は安さ
新築住宅を買った人、中古住宅を買った人それぞれに「なぜ、その家に決めたのか」と聞いてみると、「住宅の立地条件がよかったから」と答えている人がともに6割前後にのぼっています。このデータから、注文住宅を建てるのではなく、家を買う場合は、「立地条件」が非常に重要視されることがわかります。さらに、中古住宅を選んだ人になぜ中古住宅にしようと考えたのか、その理由を聞いてみると
第1位 予算的に手ごろだった 79.9%
第2位 新築にこだわらなかった 42.3%
第3位 リフォームで快適に住める 38.4%
第4位 間取りや設備・広さが気に入った 29.2%
第5位 住みたい地域に適当な新築がなかった 22.2%
以上の結果から、中古住宅購入者は、価格の安さに魅かれており、4割以上の人が積極的に中古住宅を選択しているとわかりました。そして、購入後リフォームしようと計画している人も3割以上。手を加えれば品質向上も望めると考えている人が多いようです。
一方で、新築住宅を購入した人に、中古住宅を選ばなかった理由を聞いてみると、
第1位 新築にこだわったから 74.8%
第2位 隠れた不具合が心配だった 38.5%
第3位 リフォーム費用などで割高になる 37.6%
第4位 耐震性や断熱性などの品質が低そう 3672%
第5位 給排水管などの設備の老朽化を懸念 35.8%
以上のように、新築住宅を買った人には、中古住宅の性能や品質に疑問や不安を抱いている人が多く、最初から新築だけを検討していた様子が伺えます。
興味深いのは、リフォームについての考え方の違いです。中古住宅を買った層は不満な部分はリフォームで補えると考え、新築住宅を買った層は多額のリフォーム費用がかかるなら、リフォーム不要の新築のほうがいいと、逆の考え方をしています。
半数が築16年以内の中古物件を購入
中古住宅を買った人たちの家は、どのくらい古い住宅なのか、築年数を聞いてみると築16年以内 52.1%
築17~26年以内 19.0%
築27~36年以内 15.5%
築37~46年以内 9.2%
築47~56年以内 1.1%
築年数だけで判断せず、性能のよい中古住宅を探し出したいものです
中古住宅を買うなら性能に要注意
このようにデータを見てくると、中古住宅を購入した人が新築より手ごろな価格の物件を手に入れ、住宅ローンの返済期間や毎月の返済額など、負担を軽くしているように見受けられます。そういう意味では、新築住宅購入者より、堅実で、購入後の生活を重視していると判断することもできます。ただ、気になるのは、築16年以内の住宅を購入している人が半分以上いること。築年数にもよりますが、耐震性や断熱性などの性能がどの程度の物件を購入しているのか、不安になります。できれば、購入前に住宅診断を依頼するとか、既存住宅用の住宅性能表示制度を利用するなどして、良質な中古住宅を求めるようにしてはいかがでしょうか。