トルコ/エフェス遺跡

エフェス遺跡・セルチュク(4ページ目)

トルコ最大の観光ポイント、エフェス都市遺跡を訪れる際、起点になる町がセルチュク市です。ここ一帯はヘレニズム・ローマ文明の遺跡が数多く残されているので、見どころも盛りだくさん。ここではセルチュクを基本としたエフェスの攻略法を解説します。

執筆者:安尾 亜紀

聖母マリアの家

聖母マリアの家

キリスト教徒が巡礼に訪れるため、信者たちでごった返す時もある聖母マリアの家教会

エフェス都市遺跡の南側入口からビュルビュル山を登っていくと、頂上にひっそりと建つ石造りの教会…… 聖母マリアが101歳で亡くなるまで晩年を過ごしたといわれているのがここ、聖母マリアの家。1967年にローマ法王パウロ6世が訪問した後はキリスト教徒の聖地となっており、毎年命日とされる8月15日にはバチカンから代表者が訪問して参拝しています。毎朝7時半と日曜日10時半にはミサが行われています。

聖母マリア

上記アルテミスの女神は、後にキリスト教が入るとマリア信仰にとってかわります

この家が見つかったのは、1800年代はじめにドイツのアンナ・カタリナ・エンメリッヒという修道女が、寝たきりの状態にありながらイエス・キリストの受難と聖母マリアの晩年を幻視したのがきっかけ。これに基づいて1891年に司教らがこの家跡を突き止め、今ある教会は当時から残る壁を一部利用しながら1951年に建てられたものなのだとか。教会内部は撮影禁止なので要注意です。

教会外には「幸福」「健康」「裕福」が叶うの3つの聖水が出る泉があり、近くの壁には白い布を結びつけると願い事がかなう…… という、まるで日本の神社のような言い伝えがあるスポットも。おすすめは、ここの郵便局から日本の友達にはがきを送ること。ここにしかない、聖母マリアのスタンプを押してもらえます。

<DATA>
■Meryem Ana Evi(メリエム・アナ・エヴィ)
TEL:0232(894)1014
開館時間:8:00~17:00(冬期)
料金:12.5トルコリラ
アクセス:セルチュクのバスターミナルからタクシーで12分、エフェス都市遺跡南側入口から7分

 

聖ヨハネ教会

イエス・キリストは十字架にかけられる際、聖ヨハネに母マリアを託し、ヨハネはマリアと共にキリスト教伝道のためここエフェスを訪れたそうです。その後マリアが晩年をここで過ごし亡くなったということは上記「聖母マリアの家」にある通りですが、ヨハネもマリアと共にここで生涯を終え、このアヤスルクの丘と呼ばれる土地に埋葬されました。

聖ヨハネ教会

教会部分の修復作業も進んでいます

4世紀にはヨハネの墓の上に礼拝堂が建てられ、6世紀になるとこれがユスティニアヌス帝によって立派な聖堂に改装されます。その後自然災害などで崩壊したものの、現在再び修復が進められています。

聖母マリアの家に比べてかなり閑散とした観光スポットですが、高台にあるためセルチュク市を一望でき、今では模型の柱一本しか建っていないアルテミス神殿跡などもここから見ることができるので要チェックです。
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