エフェス遺跡・セルチュク(3ページ目)

エフェス考古学博物館

セルチュク市内にあるこの考古学博物館には、エフェス都市遺跡で発掘された出土品を中心とした数々のコレクションがが展示されています。

この博物館、一見トルコの地方にありがちな、規模の小さい地味目の博物館なのですが、展示品はかなり見ごたえがあります。とりわけエフェス都市遺跡のプリタネイオンから出土した紀元前1世紀の大アルテミス像と2世紀のアルテミス像は迫力満点。胸のあたりに無数にくっついている卵状のものや、下半身にたくさん彫られた小さな動物たちのレリーフなどは、ちょっと気持ち悪いけど目が釘付状態。解説を読まなくても豊穣や多産を意味していることがよくうかがえます。

当時、エフェスの人々はアルテミス神を信仰していたのですが、このアルテミス像、頭にはアテナ神殿を乗せ、両脇にはアナトリアで信仰されていた地母神キベレと同じ動物を従えているのです。こうしたことから、実はギリシャの宗教とアナトリアの宗教が合体したのがアルテミスだったのではと考えられています。その後キリスト教が伝来し、このアルテミスの女神信仰は、聖母マリア信仰へと派生していったといわれています。

この他、巨大なエロスの頭像や休息する兵士の像、イルカに乗ったエロスの青銅像なども見どころ。

＜DATA＞
■Efes Arkeoloji Muzesi（エフェス・アルケオロジ・ミュゼシ）
TEL：0232（892）6011
開館時間：8:00～最終入場16:30、17:00閉館
料金：5トルコリラ
アクセス：セルチュクのバスターミナルから徒歩5分