その2.「こだわりどころ」に自分らしさが潜む
「好きなこと」には「こうありたい自分」が隠されている
「趣味は？」と聞かれると、「明るくポジティブな余暇活動」を連想して、「そんなこと何もしていない……」と、引いてしまうのではないでしょうか。そこで、「好きなことは？」「よくやる気晴らしは？」と質問されると、どうでしょう？ きっと一つくらいは思い出せるのではないでしょうか。
たとえば、「毎週1本DVDを借りて観賞する」ということも立派な趣味ですし、その趣味には、必ず自分らしい「こだわり」があるはずです。その「こだわりどころ」を分析することが、自己理解につながるのです。
毎週DVDを借りて観賞することは、自分では「他にやることがないから」と思っているかもしれませんが、本当はそれだけではないはずです。「日常とは違う広い世界を知りたい」「人の奥深さを知りたい」というように、何らかの意欲があって、1本のDVDを選んでいるはずです。
また心に残った映画には、「自分もこうありたい」「こう生きてみたい」と心が動くポイントがあるはずです。なぜその映画を見たいと思ったのか、どこが心に残ったのかを一度紙に書いて、振り返ってみるといいでしょう。
このように、「好きな気晴らし」や「夢中になること」のなかにこそ、「ここにこそ、こだわりたい自分」「こうでありたい自分」を見つけるヒントがあります。
その3. 誰でも、「困難克服経験」を持っている！
自分の強さは「困難克服経験」にあり！
「弱小サッカーチームを建て直して、優勝した経験でもあれば……」と、ため息をつく人も多いでしょう。でも、そんな大それた経験はいらないのです。現に今こうして生きていることこそ、数々の困難を乗り越えていることの証明なのですから、いわば私たちはみな「困難克服」の経験者なのです。
たとえば、何かに失敗して「自分なんてもうダメだ！」と思ったとき、それをどう乗り越えましたか？ 「そういえば、あのとき愚痴を熱心に聞いてくれる人がいた。人の助けを借りたからこそ乗り越えられた」「とりあえず目の前のことをやるしかなかった。その道に励むことで、生きていけることが分かった」……このように、克服のきっかけとなるエピソードがあるはずです。
失敗のショックや劣等感に縛られているときには気づきにくいのですが、失敗した人は、その後の色々な経験が折り重なって、「困難克服」を実現してきたはずなのです。
小さなことでも、克服した経験を思い出してみましょう。すると、「困難に出遭ったときに、私ならこうします」と、自分の言葉で伝えることができるでしょう。
器用に自己アピールができる人が、必ずしも優秀だとは限りません。むしろウィークポイントばかり目につき、自分の経験を過小評価している人こそ、底力を持っていることが多いものです。
差し迫って職を探す必要のない人も、自分自身の「ウィークポイント」や「好きなこと」「困難克服経験」を分析して承認することで、劣等感やマイナス思考にあふれた自分を打ち破っていくことができるはず。ぜひ自分を振り返ってみてくださいね！
