ストレス/ストレスフリーの思考術

「自己アピール探し」に疲れたときの逆転的発想法

社会に出ると、就活に限らずあらゆる場面で「自己アピール」が求められます。自分の良いところ、こだわりたいところ、自分の強さが分からないと悩む人のために、自己理解のための逆転的発想法をお教えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「自己アピール探し」に疲れていませんか? 

appeal1

アピールポイントを探しているうちに迷子になっていませんか?

一歩社会に踏み出すと、就活に限らず、あらゆる場面において、自分自身をアピールし、売り込んでいく力が求められているように思います。

そもそもがアピール上手で、器用に世間を渡っていける人なら簡単でしょう。しかし、多くの人はそうではありません。「私の良いところってどこ?」「アピールするようなところなんて、全然見当たらない」……こんな風に、自己アピールポイントを探しているうちに迷子になり、疲れきってしまう人の方が多いのではないでしょうか。

私自身、カウンセラーとして活動するなかで、こうした悩みを抱える人たちの相談に乗る機会が多いのですが、それぞれに良いところを持っているのに気づかず、気づいても生かすことができずに、自信を失っていくパターンがとても多いと感じます。

そこで、今回は意外に気づかない「自己アピールポイント」を見つけるためのヒントをお伝えしたいと思います。


その1. 「ウィークポイント」こそアピールポイント!

appeal2

「ウィークポイント」にこそ、自己アピールポイントが潜んでいる!

実は、自己アピールポイントは「ウィークポイント」にこそ、潜んでいるものです。

たとえば、「ドンくさい自分」に劣等感を持つ人の話を聞くと、その「ドンくさい」部分が魅力だったりします。「ドンくさい」というのは、あくまでも本人が信じている否定的な自己像であって、第三者の視点から見れば、「ナチュラル」や「親しみやすい」と映っているのかもしれません。

このように、物事を別の視点から見ることを「リフレーミング」と言い、私はカウンセリングでよくこの手法を使って、相談者にフィードバックします。

リフレーミングは自分でもできますが、劣等感が強い人にはなかなか難しいでしょう。なぜなら、そもそも自己否定感が強すぎて、自分自身をポジティブに見ることができないからです。

そこで、他人の良いところ探しが上手な人に手伝ってもらい、「ウィークポイント」をリフレーミングしてみるといいでしょう。その際には、次のように紙に書き出してみることをお勧めします。

■ 記入例
1. 私のウィークポイント
ドンくさいところ。スピードを求められることはいつも失敗するし、器用に物事をこなせない。

2. どのようにリフレーミングできる?
ナチュラルで人間的? 不器用なところが親しみやすいと言われることも多い。

3. リフレーミングした自分をどう生かせる?
地道で人と協力でき、人の役に立つようなライフスタイル、仕事が私には向いているのかも。

このようにリフレーミングを「可視化」していけば、自分らしさを仕事や恋愛などに生かすための材料に使うこともできます。ぜひこの手法を使って、「ウィークポイント」を自己アピールポイントに変えてみてください。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます