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転勤したら、住宅ローン減税はどうなる?

住宅ローン控除は、マイホームを取得してから6カ月以内に住み始め、年末まで住み続けることで適用される控除です。ところが、マイホームに住み始めるや否や、転勤の辞令が! 転勤すると住宅ローン控除はどのような取り扱いになるのでしょうか?

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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やっとマイホームに住み始めたのに…

ローン減税は、適用条件を満たすことが必要

住宅ローン減税は、適用条件を満たすことが必要

やっと家族とともにマイホームに住み始めたのに、どうも近いうちに、転勤になりそう…。

何ともショックですよね。マイホームに住めないのももちろんですが、住宅ローン減税の適用も気になるところ。住宅ローン減税は、マイホームを取得してから6カ月以内に住み始め、年末まで住み続けることで適用される減税です。要件を満たすことが必要なわけですが、住宅ローン減税を受けられなくなるなら、家計は実質“増税”状態になってしまいます。

それでも、マイホーム取得後の転勤辞令、よく耳にする話でもあります。いくつかのパターンを追って、転勤時に住宅ローン減税がどうなるのかを確認していきましょう。
 

本人が単身赴任をする

まず、国内転勤が決まり、本人が単身赴任をすることになった場合です。

このケースでは、他の家族が引き続きその家に住み続けているのなら、本人が入居し続けているものとして、住宅ローン減税の適用を受けることができます。

ただし海外転勤によって単身赴任となり、年末時点で非居住者※となる場合には、他の家族が引き続き住み続けていたとしても、その間の住宅ローン減税の適用を受けることはできません。海外転勤の場合は、国内転勤とは異なり、本人以外の家族が居住を続けていても、住宅ローン減税はNGなのです。

※「非居住者」:所得税法上、日本国内に「住所」を有し、又は現在まで引き続き1年以上「居所」を有している個人を「居住者」、それ以外の個人を「非居住者」といいます。
 

住宅ローン減税を受けていたが、家族共々転居することに・・・

住宅ローン減税を受けていたけれど、国内外の転勤等となり、一家で転勤先に転居した場合はどうでしょう。

このケースは、残念ながら転居後には住宅ローン減税の適用が受けられなくなります。ただし、転勤が解消されてマイホームに再び戻り、住み始めた年からは、残存の減税期間については、住宅ローン減税が再び適用されます。その際は、家屋の所在地を所轄する税務署で手続きが必要になるのでお忘れなく。

ローン減税を一度も受けることなく転勤が決まったら

では一方、マイホームを取得した年の12月31日までに転勤などで居住できなくなったらどうでしょうか。

居住開始年の12月31日時点で居住していないため、前段で説明したケースとは異なり、住宅ローン減税を一度も受けたことがないままに転居をしているということになります。

このケースはこれまで、転勤解消後も住宅ローン減税を受けることはできなかったのですが、平成21年度税制改正により条件が適用緩和されています。転勤が解除され、戻ってきた年の12月31日時点で居住しているなら、その年から住宅ローン減税の適用が受けられるようになりました。戻ってきたあとは、やはり家屋の所在地を所轄する税務署で手続きが必要になります。
 

家財の火災保険の住所変更もお忘れなく

転居時は家財の火災保険の変更も忘れずに

転居時は家財の火災保険の変更も忘れずに

ところで、転勤により家族で転居する場合には、家財道具一式を持っていくケースも多いでしょう。その時は家財につけている火災保険の変更も忘れず行いましょう。変更の方法は以下のふたつ。

(1)現在の火災保険について、住所変更をする
火災保険は建物・家財ともに、所在地や建物の構造によってその保険料が決まります。そのため転居先の保険料が現在とは異なることがあり、現在よりも安くなれば今までの保険料の一部が戻され、逆に現在より高くなれば追加の保険料を支払うことが必要です。このように、転居先によっては保険料のやりとりが生じることがあります。

(2)現在の火災保険をやめて、新たに火災保険の契約をする
現在の火災保険をやめると、未経過分の保険料は戻ってきますので、転居先の条件に合わせて新しい火災保険に入りなおします。

いずれの方法でも手間はさほど変わりません。大切なことは、転居先で困ったことが起きた時、確実に火災保険が利用できるようにしておくことです。お忘れなく。


【関連リンク】
転勤と住宅借入金等特別控除等(国税庁)
居住者と非居住者の区分(国税庁)
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