マンション物件選びのポイント/マンションの共用施設・サービス

マンションエントランスの種類とチェックポイント

マンションのエントランスはそのマンションの「顔」ともいえ、マンションのグレードや品格を表す大切な部分です。今回はマンションのエントランス付近に設けられる共用施設の種類やチェックすべきポイントをまとめます。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

マンションの「顔」エントランス

マンションの「顔」エントランス

エントランスはマンションの「顔」です。

マンションのエントランスはそのマンションの「顔」となる部分であり、そのマンションのグレードはエントランスで分かるといわれるほど実はとても大切な部分です。

高級マンションほど広く重厚に豪華に造られる傾向にありますが、小規模マンションでこじんまりとしていても工夫しデザインを凝るなど、分譲マンションであれば、そのマンションの顔としてふさわしく造り込まれたエントランスが多くみられます。
 

 

マンションのエントランスに含まれる施設は?

コンシェルジュが在中するフロント。まるでホテルのよう。

コンシェルジュが在中するフロントはまるでホテルのよう。

マンションのエントランスに含まれる施設は、風除室、エントランスホール、ロビー、メールコーナー、宅配ボックスコーナー、エレベーターホール、管理室、集会室、ゴミ置き場など。建物の外部になりますが道路から風除室に至るアプローチ部分もエントランスに含まれます。

大規模マンション、高級マンションとなるとエントランスホールやロビーの周辺に中庭が設けられたり、コンシェルジュが在中するフロントカウンター、コンビニ、カフェ、ラウンジなどがプラスして設けられます。また、雨にぬれないように風除室の前に大きな庇をはね出して下部に車を寄せられる「車寄せ」が設けられる場合もあります。
 

エントランスのチェックポイント1:デザイン性

先ほども述べましたがマンションのエントランスはそのマンションのグレードがわかってしまうほど大切な部分で、いわばそのマンションの「顔」。裏口のように狭かったり安っぽい仕上材を使っているなど、あまりに貧相なエントランスではそのマンションの格が下がってしまいます。

面積が広く取れない場合でも、上部に吹抜けをつくる、壁、床、天井の仕上材に高級感のある石やタイルを使う、風除室の扉のデザインに工夫を凝らす、ニッチをつくって花や絵を飾る場を用意する、照明器具にこだわるなど、工夫によって空間的な広がりを持たせたり高級感を演出することは充分可能です。

またマンション全体のデザインと調和する仕上がりになっているかどうかもチェックしたいところです。マンションのエントランスは広告に掲載されるパースなどでイメ-ジできます。
 

エントランスのチェックポイント2:風除室

一枚目の扉。この奥に二枚目の扉があります。

一枚目の扉。この奥に二枚目の扉があります。

エントランスの入り口は扉が二重になっていることが多いことをご存じですか。まず一枚扉があり、その奥にもう一枚扉がある二重構造になっており、この扉と扉の間の空間を風除室といいます。マンションの共用部になります。

風除室の内部までは誰でも入ることができ、奥の扉の手前にある集合玄関機(オートロック)を解除すると奥の扉が開いてマンションの内部に入ることができます。風除室にはメールコーナーや宅配ボックスコーナーが設けられています。

もし風除室がないと、扉を開けた時に外の風や落ち葉などがマンションの中まで入り込み、風の影響で扉の開閉が難しくなったり、自動ドアの機械部分が傷んだりします。建物の入り口を守る大切な役割をもっています。

 

エントランスのチェックポイント3:宅配ボックス

小規模マンションでは共用施設を少なくシンプルにする傾向が強く、エントランス廻りの共用部としては風除室、メールコーナー、エントランスホール、エレベーターホール程度となっていることが多いようです。

メールコーナーは、風除室とエントランスホールの境壁に戸数分の郵便箱が設けられ、風除室側から郵便物を入れ、取り出しはエントランスホール側から行うという形をとっています。最低限の設備としてどんなマンションにもついています。

宅配ボックスは、そこに入れて保管しておくことで、留守の間に荷物が届いて帰宅が何時になっても受け取れる利点があり、「とても便利だ」という声が多い設備です。特に独り暮らしや共働きなど昼間自宅を留守にすることが多いライフスタイルの人は、宅配ボックスがあるマンションを選ぶと便利でしょう。
 

エントランスのチェックポイント4:車寄せ

車と歩道を分けた歩車分離は歩行者の安全を守ります。

車と歩道を分けた歩車分離は歩行者の安全を守ります。

建物外部になりますが「車寄せ」もエントランス関連施設となります。車寄せは、風除室のすぐ外側に雨よけの庇を設け、その下部に車を寄せられるように車道を設けた造りをいいます。ホテルなどでよく見かけます。

駐車場が遠いとき荷物や人をここで降ろしたり、雨にぬれずに車に乗ることができて便利です。配慮の行き届いたマンションでは、敷地の入り口から風除室まで歩行者専用の歩道と車専用の車道を分離して設ける「歩車分離」になっています。歩車分離になっていればマンションの敷地内で小さなお子さんでも安心して歩けます。

車寄せは敷地にゆとりがないと設けられないため、比較的大規模、高級マンションに採用されます。
 

エントランスのチェックポイント5:必要な施設を見極める

高級マンションのラウンジ。室内装飾も家具も重厚だが、維持費は住人が負担する。

高級マンションのラウンジ。室内装飾も家具も重厚だが、維持費は住人が負担する。

マンションは大規模、高級になればなるほどエントランス廻りの施設が増え、面積が広くなり、仕上げや照明、調度品などがゴージャスになってきます。しかし、それらの維持管理費は住人負担となります。

コーヒーや焼きたてパンをいただけるカフェラウンジ、クリーニングやタクシーの手配をしてくれるコンシェルジュサービス、くつろげるソファーのあるロビー。そのようなホテルライクな設備を求めるのか、またはそういったサービスは外で受けるからマンションには要らないと判断するのか、ご自身にとって理想のライフスタイルを思い描きながら見極めることが大切です。



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