介護にかかる費用、安心なお金はいくら?
同調査では、「公的介護保険の範囲外の費用」として「どのくらいの金額を準備すれば安心か」についても調査をしています。その結果を見ると、要介護状態となった場合の初期費用として必要とされる額は、「100~200万円(23.2%)」と答えた人が最も多くいました。中には「500万円以上」必要と回答した人も約20%いたので、全体平均は308万円となっています。介護付き老人ホーム等に入居したい、と考えている場合は、入居のための一時金などで費用がかさむかもしれませんね。
毎月の費用として必要と考える額で、最も割合が多かったのは「10~15万円未満(28.4%)」、次いで「20~25万円未満(20.1%)」で、平均18万円でした。(「公的介護保険の範囲外の費用」とは、例えば段差解消や手すり設置などの住宅改修や、車椅子や杖などの介護用品購入代といった初期費用、自己負担で月々かかる費用などのことです。)
確かに、介護施設に入居した場合の月額利用料や、家事代行サービスを利用した場合の料金などを考えると、月々18万円くらいは必要のような気がします。
■介護期間は、年々伸びている!
リハビリでまた元気になってね!
治療やリハビリの甲斐あって回復すれば、介護にかかる費用は少なくてすみます。けれども、介護期間が長くなると、継続的にかかる費用も多く見積もらないといけません。家族の精神的、体力的な負担も長く続くことになります。
介護費用、あると安心な総額は約3,500万円!?
前出の調査で、「必要と考える費用の総額」について尋ねたところ、平均約3,500万円という結果が出ていました。この中には、夫婦2人で介護付き有料老人ホームなどに入居するなど、高額な費用を必要と考えている人も含まれていると思います。けれども、「1千万円~2千万円未満(20.1%)」「2千万円~3千万円未満(17.7%)」と回答する人も4割近くいました。確かに「あると安心な費用」の平均額で5年間介護をしたとしても、初期費用(308万円)と月々の費用(18万円×12ヶ月×5年)で1,388万円になります。この額は、自宅で介護を受けるのか、介護専門の施設に入居するか、何年介護が必要かによっても、大きく変わってきます。
お父さん達にもし介護が必要になったら、どうする?
ご両親が健康で長生きしてくれることが一番なのですが、万が一介護状態になった時に、どのような介護を希望していらっしゃるのか、帰省をする際にさりげなく聞いてみるのもいいでしょう。その上で、自分達がどのような支援をできるのか、その場合はどれくらいの費用を見積もればいいか、試算してみることをオススメします。
また、介護に直接携わることができるのであれば、夫婦お互いの職場にある介護休職制度に関する規定を調べたり、実際に介護休職を取っている人が社内にいるかどうか気にかけておくのもよいでしょう。さらに、介護休職を取ったり、介護退職をするようになったりしたら、自分達の家計は大丈夫なのか、といった視点でライフプランシミュレーションをしてみることもお勧めします。
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