1.重曹=ベーキングソーダ=炭酸水素ナトリウム=重炭酸ソーダ=重炭酸曹達=重炭酸ナトリウム=酸性炭酸塩ナトリウム


「炭酸水素ナトリウムと重曹が同じモノだって言われても……ばけがくは苦手だったんだよなー。あー難し!」
「炭酸水素ナトリウムと重曹が同じモノだって言われても……ばけがくは苦手だったんだよなー。あー難し!」
いささか唐突なんですが、『重曹』『ベーキングソーダ』『炭酸水素ナトリウム』『重炭酸ソーダ』『重炭酸曹達』『重炭酸ナトリウム』『酸性炭酸塩ナトリウム』と、これほどてんでばらばらな呼び方をされる全ては同じものを指しています。

ここ、最初に押さえておくべき重要事項ですので、「ぜんぶイコール」と覚えて置いてください。

ここ数年「重曹」そうじを行いながら気づいたことに、どうやら「重曹」そうじにまつわる多くの混乱、混同、勘違いはこの、

「ばらばらな呼び方」に由来しているもの

らしい、ということがあります。

ですが、不思議と“おそうじ本”やTVなどの“おそうじ番組”によっては、特段の注釈ナシにこれらの呼び名のどれかが使われています。

だから冒頭の奇妙な会話が成り立ってしまうのですね。


初めてこれらの名前に触れる人ほど、最初に聞いた名称で「そういうもの」だと刷り込まれてしまいがちです。

そのまま、なかなか「重曹=ベーキングソーダ=炭酸水素ナトリウム=重炭酸ソーダ=重炭酸曹達=重炭酸ナトリウム=酸性炭酸塩ナトリウム」だという認識を持てないまま、なんとなくモヤモヤしている人もたくさん見てきました。

モヤモヤして当たり前なんです。
でも、ちょっぴりややこしい話で恐縮ですが、この機会に少し整理しておきましょうね。



日本薬局方『炭酸水素ナトリウム(重曹)』。「制酸薬」とされていて、胃酸過多や胸焼けの際に大人1回1グラム服用と書かれています。『重曹』にはクスリとしての顔があるのです。
日本薬局方『炭酸水素ナトリウム(重曹)』。「制酸薬」とされていて、胃酸過多や胸焼けの際に大人1回1グラム服用と書かれています。『重曹』にはクスリとしての顔があるのです。

『重曹』 NaHCO3

Sodium Hydrogencarbonate, Sodium Bicarbonate, Bicarbonate of soda, Sodium acid carbonate, Baking soda



■化学名 炭酸水素ナトリウム

・『ベーキングソーダ』『重炭酸ソーダ』『重炭酸曹達』『重炭酸ナトリウム』『酸性炭酸塩ナトリウム』これらは全て重曹の別名です。

(↑お気づきの通り、重曹とはすなわち『重炭酸曹達』の略です。)

■形状 白色の結晶、粉末状(常温)

■性質 水溶液はごく弱いアルカリ性を示す。pH8.2(2%、20℃時)

・ただし水には溶けにくい。

・加熱によって、粉末は270℃以上で、水溶液は65℃以上で水と二酸化炭素と炭酸ナトリウム(sodium carbonate 別名「炭酸ソーダ」「炭酸塩」「ソーダ灰」)に分解する。

・加熱した水溶液(重曹水)は炭酸ナトリウムにより強アルカリ性を示す。およそ50℃以上から注意が必要。

・鍋などでの煮洗い(重曹沸騰水)として使用する際には火傷に注意するほか、ゴム手袋などの着用がのぞましい。

■水への溶解度(およそ) 6.5g/100ml(0℃) 7.8g/100ml(18℃) 8.7g/100ml(20℃) 11.3g/100ml(40℃) 14.1g/100ml(60℃) 19.1g/100ml(80℃)

(↑溶解度を考えずにじゃんじゃん水に入れて“重曹水”を作ろうとし、「全然溶けない!」と怒っている人もたまにおられますが…。常温の水ではおよそ8%で飽和水溶液になる、と覚えておきましょう。かといって上記のようにお湯に溶かすと強アルカリ性になって、いわゆる安全性は下がりますので要注意。)

■主な作用 研磨作用、鹸化(乳化)作用、中和作用、軟水作用、消臭作用、吸湿作用、発泡作用、膨張作用

(↑お掃除にとって有効に働くのは研磨、鹸化、中和、消臭、発泡作用。粉で、水溶液として、ペースト状にして…と様々な形状で応用することが可能。)

■主な効果 住まいの油脂汚れ、皮脂汚れ(脂肪酸・弱酸性を示す)を溶かし、中和して落としやすくする。酸性の悪臭(肉や魚の腐臭、トイレの尿や便臭、ペットの粗相、嘔吐物、下駄箱の臭い、等々)を中和し消臭する効果も。


(↑ただしアルカリ剤としての洗浄力はあまり高くない。「水に溶けづらい」性質を活かした緩やかな研磨剤(クレンザー)としての効用と併せると掃除には効果的。)




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