ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

ズシリとくる無垢ボールペン 銀&黄銅(3ページ目)

50年にわたってボールペンを作り続けてきた桐平工業。その技術力を活かして作られた無垢ボールペン。熟練の職人さんが挽物という手法で一本一本削りだしたボールペンです。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

他のペンでは味わえない書き心地

ペン工房キリタundefined無垢ボールペン

ちょっと味わったことのないほどの重量感

無垢ボールペンを手にすると、ズシリとした重量感がある。その重さ銀タイプが76g 、黄銅が63g 。一般のメタル製のペンと比べても、これはかなり重い。

重いのだが、これが不思議と心地よさというものも共存している。ひとつに無垢ということがとても伝わってくるということがある。また、いろんなものが時代の流れとともに軽量・コンパクトへの道をたどっている。そんな傾向があるので、改めて重いものに新鮮さを感じてしまうのかも知れない。

これはもともと完全な無垢な棒材から作り出されるている訳だが、無垢のままではボールペンにならない。ボールペンとして機能させるには、ボールペンリフィルを入れ、それ送り出すメカも入れなければならない。つまり、内側にどうしても穴を開けなくてはいけない。

今回の無垢ボールペンでは、無垢らしさを残すため、その内側スペースを極力小さくおさえられている。特に、ペン先側にいたっては、細いリフィル1本がギリギリ入るだけのスペースしか削られていない。これにより、厚さ3mm もあるボディに仕上がっている。ちなみに、プレスで作ったボディが大体0.4mm の厚さであるので、7.5倍もの厚さがあるということになる。

ペン工房キリタundefined無垢ボールペン

桐平工業 三代目の桐田勝弘さん。ウェブショップ ペン工房キリタの店主でもある

そして、ペンの後軸側は、リフィルよりも太いメカが収まるので。その分、内側スペースはもう少し広くなっている。このペンの先軸は厚めに、そして後側をやや薄くという絶妙なバランスにより、手にした時にペン先側がやや重くなる低重心を実現している。筆記体勢に入った時に感じる重量感の中にも、書き心地を追求したバランスになっている訳だ。

ペン工房キリタの桐田さんいわく、油性ボールペンはボディがある程度重いくらいの方が書きやすいという。

万年筆は筆圧を軽くして書く筆記具であるが、ボールペンはペン先のボールを転がして書いていく。特に油性インクは粘度が高いので、どうしても力が必要となる。

ペン自体が重いことで、あまり筆圧をかけなくても気持ちよく書いていけるのだという。そういう意味でこの無垢の重量感は意味のある重みなのである。
ペン工房キリタundefined無垢ボールペン

どうしても1本1本手づくりとなるので注文してから、職人さんが削りだしていくので、仕上がるのには大体3週間ぐらいかかるという。金タイプ/5万2500円、黄銅タイプ/2万1000円

【関連リンク】
ペン工房キリタ 無垢ボールペン

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