セーラー万年筆の歴史と万年筆

世界と勝負できる国内生産の万年筆

海軍の技師が阪田久五郎に贈った当時最先端の万年筆。そんなイギリス留学のお土産が、セーラー誕生のきっかけになった。後にセーラー万年筆を創業する阪田久五郎は、金属文具工場を経営していた兄・斎次郎に協力し、国内初の金ペン生産を実現したのだ。

ちなみにセーラーという社名も海軍が由来。海軍の重要な拠点のひとつである呉を本拠地と定め、先兵として汗を流している水兵（＝セーラー）から名前を取ったのである。

1912年に独立すると、文具類の製造・販売を開始。1948年には国産化第一号となるボール(・ポイント・)ペンの発売を実現した。そして1958年にはカートリッジ式の万年筆を発売。さらに1963年にはミニ型万年筆「ミニエース」を売り出し、人気を博した。これは、時流を読んでバカンス用のペンとして触れこんだ戦略が功奏した。その後も、毛筆の良さを取り込んだ「ふでペン」、女性をターゲットにしたカラフルな万年筆「キャンディ」シリーズ、細身が売りの「ホスカル」や「シャレーナ」など、ヒットモデルを続々と生み出した。


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