ゲーム業界ニュース/ゲームと文化ニュース

ゲーム雑誌ができるまで(6ページ目)

ゲーム雑誌がどうやってできるか、興味ありませんか? 2010年11月26日に新装刊するアスキー・メディアワークスの月刊ゲーム総合誌電撃ゲームズ編集長の千木良 章さんに、ゲーム雑誌がどのように作られているのか、現場のお話を伺ってみました。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

ゲーム雑誌の抱える問題

ゲームの話をする子供達の図

昔は、ゲーム雑誌か、あとは友達同士の口伝えぐらいしか詳しいゲーム情報というのは手に入りませんでした。

ガイド:最後に、電撃ゲームズが新装刊というところで、どこが変わったのか、何故変えたのかというお話を伺いたいんですが。

千木良:新装刊の話をするには、まず、ゲーム雑誌全体の状況について説明しておく必要があると思います。ゲーム雑誌って、昔だとBeepであったり、ファミマガであったり、ファミ通さんもそうだと思いますが、いずれの雑誌も情報誌としてスタートしていると思うんですね。映画誌のように、グラビア誌であるとか、批評誌としてスタートしていないと思うんです。それが、今に続くゲーム雑誌の基盤であり、核であり、逆に言うと問題点でもあると思っています。

情報誌であるというと、ユーザーさんが知りえない発売前の情報やゲームをメーカーさんからいただいて、それを伝えるということが主になると思います。そうすると、僕らって情報の仲介業者みたいなものじゃないですか。でも、今ってこの仲介業者がいらなくなってるケースが多々あると思うんですね。公式サイトからユーザーさんに情報を発信するとか、Twitterだったら開発者さんから直に情報が流れることもあります。こういう風になってくると、雑誌の存在価値ってなんだろう、ということになります。

ガイド:ゲーム雑誌が抱える問題点の1つ目。多様な情報伝達手段が生まれつつある現代において、情報誌としてのポジションが危うくなりつつある、ということですね。

千木良:それからもう1つ、ゲーム雑誌だけではなく、これは出版業界の問題で、あらゆる雑誌の売り上げが全体的にずるずると落ちているというのがあります。

出版の中でも、マンガのワンピースとかはものすごい売れてるわけじゃないですか。うちでも、ライトノベルとかの中でピンポイントにクオリティの高い作品は安定して売れています。厳しいのは、総合メディアです。作品としての出版はまだまだ勢いはあるんですが、メディア、媒体としての本や雑誌というのがどうなるのかは考えていかなければいけません。そういう中で、ゲーム雑誌の話に戻すと、雑誌の数そのものが減ってます。部数以前に、種類が減っているんですね。

そうすると、本屋さんの棚を考えた時に、ゲームコーナーっていうのはもう少なくなってると思うんです。昔、ゲーム雑誌はゲーム雑誌と競っていれば良かったんですが、今は、エンタメとか、ホビーとかにまとめられて、アニメ雑誌とか、ホビー誌なんかと一緒にあって、そのなかで面白そうって手にとってもらわなければいけないと思っています。

ガイド:ゲーム雑誌の抱える問題点2つ目。雑誌というメディアが低迷する中、ゲーム雑誌そのものの数が減って、他のジャンルにの中に紛れるように陳列されるようになってしまった、と。

そんな中、電撃ゲームスはどう変わっていくのでしょうか。
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