塩を控えても効果がないって本当!?
塩分は控えめに。
最近では、塩分が高血圧の原因にならない体質の人もいることが分かってきました。そのため「血圧が高くないから大丈夫」とか「塩分と高血圧は関係のないことも多い」なんて返事が見られるようになりました。しかし、こんな返事では、よかれと思ってアドバイスした人も戸惑ってしまいます。
平成16年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の日本人の食塩摂取量は11.2gです。日本人の食事摂取基準2005年では、男性で10g、女性で8gを目標量としています。健康な人では、アメリカやWHOでは6g以下を推奨しています。世界的に見ると、日本人はかなりの量の塩分を摂っているのが事実です。国によっては、食塩の摂取が1日6gというのは、減塩食ではなく一般的なことであるのは興味深いことです。
塩を摂りすぎないのが大切な理由
ガイドは病院に勤務しているので、毎日多くの患者さんと接します。食事に関する不満で一番多いものは何だと思われますか?。私の経験では「味が無い、もっと塩味が欲しい」です。病院食には、塩分、脂肪分、カロリーなどを管理したものがありますが、体調が万全ではないことも関係するためか「もっとこってりしたものが食べたい」とか「食事が足りない」というリクエストは少なめです。
若いうちから味の濃い食事に慣れ、味見もせずに塩やソースを料理に掛ける人もいます。年を重ねるにつれて味覚は鈍っていくので、意識しなければどんどん塩を欲するようになってしまいます。
塩を控えた食事は、心臓・肝臓・腎臓などに優しいものです。もし、あなたがこれらの病気に掛かると、体への負担を軽減するために、塩の制限を勧められる可能性は否めません。仮に塩分制限が必要になったとすると、当人は味気のない食事に不満を感じ、家族などの周りの人は、本人が好まない低塩食を無理して勧めることにもなりかねません。もし、塩の多い食事を続けると本人が決めた場合は、周りの人はいつも塩分がもたらす健康への影響を心配することにもなります。塩分のために、楽しい食卓に悪影響がでるかもしれません。
塩分の濃い食事は、体への負担だけではなく、本来の食品の味を堪能しにくくなります。塩で素材の味を引き出すことができますが、素材の味を隠してしまうほど、大量の塩分を使う人も多いものではないでしょうか。
長年の食習慣を変えるのはとても難しいものです。今日からでも遅くありません、塩分を摂り過ぎない食生活を目指しましょう!