前回は新しいIBSの食事療法「FODMAP(ファッドマップ)」の基本情報をお伝えしましたが、今回はのFODMAP実践方法についてです。私が日々読んでいる栄養分野の学会誌の一つであるNutrition in Clinical Practiceの最新号にもFODMAPに関する論文が掲載されていました。世界的にもどんどん注目を浴びています。

前回の記事で、ガイドはソルビトールとマンニトールに特に弱いと書いておきながら、先日ソルビトールの入った塩辛を食べてしまい、食後20~30分後くらいからお腹の強い張りに2時間ほど大変でした……。

最初の2週間

FODMAP食事法

食べ物の影響ってすごい

食事療法開始後、最初の2週間はFODMAPの量をぐっと抑えます。基本的に、シンプルな材料を使って自分で準備するのが一番簡単な方法です。外食や既製品を使う場合は、食べ物の原材料を細かく調べる必要があります。この2週間でお腹の調子がよくなれば、FODMAPが不調の原因になっている可能性が高いということになります。もし改善しなければ、FODMAP食事療法は中断することになりますが、文献によっては4週間しないと効果がはっきりしないと書かれているものもあります。前回の記事ではFODMAPが高くて避けるべき食材を記載しましたが、今回はFODMAPが低いので食べても大丈夫な食品を並べました。

食べても大丈夫なもの(=FODMAPが少ないもの)
【果物】
バナナ、ブルイーベリー、メロン、グレープフルーツ、ぶどう、レモン、みかん、オレンジ、パッションフルーツ、ラズベリー、ルバーブ、いちご
【野菜】
人参、チャイブ、ピーマン・ペッパー類、きゅうり、なすび、インゲン豆、レタス、オリーブ、じゃがいも、トマト、ズッキーニ、ほうれん草などの葉野菜、もやし
【タンパク源】
牛、鶏肉、豚肉、ピーナッツ、マカデミアナッツ、くるみ、パインナッツ、卵、豆腐
【穀類】
米、キンワ、ポレンタ、オーツ、そば粉、とうもろこし
【乳製品】
バター、乳糖除去製品
【その他】
メープルシロップ
*Nutrition in Clinical Practice June 2013より引用

【朝食例1】
白米のご飯、卵と小松菜入りかき玉汁、魚の塩焼き、バナナ、お茶

*醤油は小麦が入っていないたまり醤油を使う。味噌は麦の入っていない米味噌を使う。「○○風調味料」と呼ばれるものは甘味料やアルコールが入っていて、FODMAP含有の判断が難しのでNG。たまり醤油も米味噌も大豆が入っていますが、少量の大豆はOK。そのままの大豆はNGですが豆腐はOK。

【朝食例2】
白米のおにぎり、目玉焼き、ベーコンとほうれん草&人参の炒め物、みかん、お茶

*味付け海苔や市販のふりかけは人工甘味料などが入っていることがあるのではっきりしない場合は使用しない。おかか、自分で焼いたシャケ、ごま、塩などシンプル食材を使う。

【昼食例1】
白米のごはん、野菜と牛肉の炒め物(植物油でキャベツ、もやし、人参、牛肉などを炒める)、トマト、イチゴ

*市販のだし調味料などは原材料がはっきりしない場合は使わない

【昼食例2】
とうもろこし、鶏の唐揚げ、野菜炒め(植物油でなすび、人参などを炒める)、ぶどう
*唐揚げは小麦粉でなく、片栗粉を使う。

【夕飯例1】
白米のご飯、鶏の照り焼き(たまり醤油、砂糖、みりん、酒、油などでシンプルに調理)、レタス、トマト、キュウリのサラダに手作りドレッシング(醤油、オイル、塩)、小松菜入りみそ汁

【夕食例2】
白米のご飯、和風ハンバーグ(塩、たまり醤油、酒、みりんでシンプルに調理。玉ねぎやにんにくはまだNG)、なすびとピーマンの煮浸し、ほうれん草入りみそ汁。他にもお刺身や焼き魚などもいいですね。

第3週目

省くと不便な麦を最初に加えます。パン、麺、普通の醤油(醤油風調味料はまだNG)、お菓子などが食べられるようになり、手作りならば不便なく食べられるようになります。市販品、加工品、外食にはまだ注意が必要です。もし、麦を導入した時点でお腹の調子が悪くなれば、「セリアック病」、「麦アレルギー」、「グルテン不耐症」などを探ることになります。セリアック病、麦アレルギー、グルテン不耐症では対策が異なってききます。これは自己診断的な面があるFODMAPの域を超えるだけでなく診断が複雑な場合もあるため、『専門医』に診てもらう必要があります。

【朝食例1】
フランスパン、ぶどう、紅茶、目玉焼き、野菜サラダ

*食パンは乳製品などが入っていることがあるので、シンプルなフランスパンがお勧め。ドレッシングは手作りが材料にFODMAPが含まれてないもの

【朝食例2】
麦ごはん、温泉卵、ししゃも、ほうれん草のお浸し

*2週目からは小麦の入った普通の醤油でOK。ただし醤油風調味料などの「○○風調味料」はまだNG

【昼食例】
うどん、ソーメン、焼きそばなどの麺類。野菜炒めや野菜サラダ。

【夕食例】
スパゲティミートソース(玉ねぎ、ニンニク、粉チーズはNG)、トンカツ、煮魚など、手作りの場合は食材に少し注意すれば色々なメニューを食べる事ができます。

第4週目 

1~2週目はFODMAPを最低限に抑え、3週目には日本の食事のありとあらゆるところに使われている小麦を追加しました。麦の追加後もお腹の調子がよければ、FODMAPがお腹の不調の原因となっている可能性がさらに高くなります。第4週目は「ラクトース」を多く含む食品を導入すると、チーズ、牛乳がOK になるので食事の幅が広がるはずです。もともとラクトース不耐症があると分かっている場合は、もちろん導入を避けます。

第5週目

ここまでくれば、あとは以下の3グループから原因を探っていきます。省くと不便なものから追加していきます。私事ですが、食べるととても調子が悪くなるもの、少々調子が悪くなるものが以下の3グループにいくつも含まれています。原因がつかめれば、あなたもIBSを改善できるかもしれません。

【フルクトースが多いもの】
りんご、マンゴ、なし、西洋なし、アガベ、アガベシロップ、すいか、はちみつ、ドライフルーツ、果物の缶詰、コーンシロップ、果糖ブドウ糖液糖・ブドウ糖果糖液糖(異性化糖・HFCS)

【フルクタン・イヌリン・ガラクタンが多いもの】
玉ねぎ、にんにく、グリーンピース、ブロッコリー、ライ麦、すいか、アーティチョーク、アスパラガス、大ネギ、キャベツ、大豆、豆乳、キドニー豆、ひよこ豆

【糖アルコール・ポリオールが多いもの】
さくらんぼ、プラム、プルーン、アボガド、ネクタリン、ライチ、カリフラワー、アプリコット、桃、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール
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