企業の人材採用/募集・選考・採用のポイント

応募者の中から欲しい人材を選び出すには(2ページ目)

多数の応募者の中から、最終的に採用候補となる人材を見つけ出すプロセスについて解説しています。履歴書や職務経歴書の見方や、面接のポイントについて解説をしています。

本田 和盛

執筆者:本田 和盛

企業の人材採用ガイド


面接官は応募者に審査されている

面接ではいきなり質問に入るのではなく、自社の業務内容や特色、社風などについて最初に説明して下さい。採用面接は企業が応募者を選ぶのと同時に、応募者が企業を選ぶ場でもあります。応募者を不愉快にさせるような対応は慎まなければなりません。

よく「当社のホームページはすでにご覧頂いているとは思いますが……」と言って、いきなり自社業務についての意見を求める面接担当者がいますが、応募者の心象を悪くします。面接担当者としては、自社のホームページを事前に見ているかどうかを聞くことで自社への応募動機の強さをみようと思っているわけですが、応募者からは不遜な態度と見られるのです。

圧迫面接・セクハラ質問には要注意

当然ですが圧迫面接はできません。圧迫面接とは、応募者が答えづらい質問を矢継ぎ早に投げかけプレッシャーを与えることで、応募者の本音やストレス耐性を見極める面接手法。昔はこの圧迫面接を行う企業が多くありましたが今は少数派です。

応募者の本籍地や思想・信条、本人・家族の病歴など、個人情報に関する質問はできません。応募者が女性の場合は、セクハラ質問には特に注意して下さい。結婚や出産予定などを聞くことも厳禁です。仕事には関係がない個人の領域のことだからです。また「出産したら会社を辞めてしまう女性が多いようですが、どう思いますか?」など、間接的な質問も不適切です。

むしろ「当社では女性従業員のサポートに力を入れていますので、みなさん妊娠・出産しても会社を辞めずにがんばってくれています」と前向きな話をしてあげた方が、好印象を与えられます。

具体的な質問で応募者のプロフィールを明確にする

応募者プロフィール

応募者のプロフィールを的確につかむ

面接は職務経歴書にもとづいて行います。職務経歴書の不明点は面接で確認します。面接での質問ポイントは、職務経歴書の中の応募者が経験した業績に関する部分です。どういう状況で、どういう方法を取って業績を上げたのか。その時応募者は、どういう意図を持って行動を取ったのかを具体的に聞きます。

応募者の考え方や方法論を聞くことを通じて、応募者の性格や判断力、企画力、行動力など様々な能力を評価できます。

面接は目的を持って臨まなければ、必ず世間話のような意味のない会話に流れます。職務経歴書の何を聞くのかを事前に確認してから、面接に臨んでください。

私が面接に立ち合う場面でよく見られる失敗が、面接担当者のしゃべりすぎです。ついつい自分の考えや会社のことをしゃべってしまい、一番重要な応募者の行動を聞くことがおろそかになっているのです。結局、判断材料が集まらないため、その場の雰囲気や自分の感性で2次面接に進めるかどうかを判断してしまいます。

面接は通常、1次面接(担当者、課長クラス)、2次面接(部長クラス)、3次面接(役員)と進めますが、1次面接で相当数の応募者を絞り込みますので、1次面接は非常に重要です。

1次面接では、履歴書・職務経歴書の内容をもとに応募者の現有能力の判定を行います。2次面接では、1次面接で判定した応募者の職務遂行能力を上位者の眼で再判定するのと同時に、応募者の性格や考え方が組織風土とマッチするかを見ます。3次面接では、応募者が入社後将来にわたって活躍できるかどうか、組織に良い影響を与える人材であるかどうかを高い視点から判定します。

1次・2次面接で「この人なら採ってもいい」という合格レベルにまで絞り込み、3次面接で「この人を採りたい」という人だけを残すというイメージです。
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