採用フローは欲しい人材を探し出すプロセス

適格人材

求人スペックに合った適格人材を選び出す

人材を採用するフロー(流れ)は、新卒・中途採用を問わず、企業の業種・規模にかかわらず基本的には同じです。まず応募者を集め、書類選考や適性テストで絞り込みをし、数回の面接を経て内定を出し、応募者の入社の意思を確認してから雇用契約を締結します。

企業が求めるスペック(経歴・スキル・資格など)に合った人材を「適格人材」といい、採用フローはこの適格人材を探し出すプロセス。いかに効率よく適格人材を見つけ出し、他社に先んじて採用に結びつけるかが採用担当者の腕の見せ所です。

採用プロセスで最も手間がかかり、かつ神経を使うのは採用面接でしょう。採用面接に手間がかかることから、1次面接などを専門の人材ビジネス業者に丸投げ(アウトソーシング)している会社もあるほどです。

採用面接は最終的な採用可否の判断を行うプロセスで非常に重要です。ここで間違った人材を採用してしまうと、今までかかった採用コストが無駄になるだけではなく、必要のない人材を雇用しつづけることになるからです。

しかし、面接プロセス以前で応募者をある程度絞り込むことができれば、面接は絞り込んだ人材にのみ行えばいいので、それほど面倒ではありません。問題はどうやって応募者を絞り込むかです。

応募者を絞り込む方法とは

応募者を絞り込むには、書類審査、適性テストなどの方法があります。これは新卒も中途採用も同じ。新卒の場合は、履歴書とエントリーシートが書類審査の対象です。中途採用の場合は職歴があることが前提なので、履歴書と職務経歴書を中心に書類審査を行います。書類審査の欠点は、応募者の人柄や能力、スキルがどの程度であるのかが明確に分からないこと。面接は手間がかかりますが、その分多くの情報を得ることができます。

適性テストは主に新卒採用で使われています。新卒の場合は職歴がないので判断材料が少ないからです。最近はうつ病に罹患する若年労働者が増えているため、ストレス耐性に関するテストを実施する企業も出ています。

意外と多い? 経歴詐称

書類審査、特に中途採用の書類審査で気をつけることは、経歴詐称です。明らかな経歴詐称は懲戒解雇の対象となりますが、確信犯的な応募者でなければそこまではやりません。ただし小さな経歴をごまかす応募者はいます。

ごまかす経歴は応募者にとって不都合なもの。たとえば試用期間満了で解雇された経歴や、フリーターとして就労していた経歴、短期で転職した経歴などです。また失業期間中の短期のアルバイトなどは経歴にならないと自分で判断し、最初から履歴書に記載しないケースもあります。

履歴書は正しく書かれてあるというのが前提なので、経歴詐称はなかなか見破ることはできません。履歴書の経歴が連続しているかどうかに着目し、ブランク期間(仕事をしていない空白の期間)がないかどうかをチェックし気になる場合は面接時に確認してください。

職務経歴書のチェックは経験年数から始める

中途採用の場合、履歴書で応募者のおおまかな経歴をつかんだら、職務経歴書で詳細に職歴をチェックします。時系列で経験した職務が並んでいる職務経歴書の場合は、営業や人事などの職務ごとの経験年数が分かりづらい。

職務経歴書では応募者の職務経歴の中で、自社が求める人材のスペック(経験、能力、スキル)に合った職歴が何年なのかをまずチェックします。たとえば営業の職歴で採用する場合、応募者が入職以来、営業・人事・営業・人事と職歴を積み上げていれば、そのうち営業の職歴だけを累計します。

多様な仕事をしてきた人の場合、専門分野が何であるかが見えづらくなります。自社が求める職歴が直近の職歴ではない場合も注意が必要です。営業の職歴で採用しようと思っている応募者の直近の職歴が「人事」で、「営業」は5年前で中断している場合、営業としてのスキルが劣化している可能性があります。この部分は面接で確認します。職務の内容にもよりますが、私の経験では5年のブランクがあるとスキルを取り戻すのはかなり難しいと思います。

応募者のキャリアの一貫性も重要

職務経歴書を見たときに、応募者のキャリアが一貫しているかどうかも重要な視点。日本企業の場合は、会社が従業員のキャリアを決定する傾向が強く本人の責任とは言えない部分もあります。とはいえ、「この人の専門は何?」と首をかしげたくなる職務経歴書に出会うことがしばしば。たとえば最初の仕事が経理で、その後総務や人事の仕事を経験し、最後の職種が営業である人などです。

即戦力を求める中途採用の場合は、特に専門分野が明確で一貫性がある人材を選ぶ方がリスクはありません。

一方で多様な仕事を経験している方は、仕事人としての幅があるという利点があります。多様な仕事ができたということは、それだけ柔軟性や学習能力が高いとも評価できます。自社で求める人材スペックをきちんと持った応募者であれば、職歴の多様さはプラスと評価してよいでしょう。ただ能力や適性に問題があって、職務を転々としている人もいるので面接での見極めが必要です。

採用面接で熱意・性格・論理思考などをチェック

採用面接は書類審査を通過した人を対象に行います。書類審査を厳しくすれば面接に回る人が減り、面接を行う企業の負担も減ります。しかし書類審査だけでは情報が足りません。、短時間でもいいのでなるべく直接面談して判断材料を集めてから採用・不採用を決めることをお勧めします。

中途採用の場合でも、3~4人程度の応募者をまとめて1次面接としている会社があります。応募者1人ずつ面接するのがより丁寧ですが、相当効率化します。直接面談を重視したい会社は、ぜひ試してみてください。

4人まとめて面接する場合、同じ質問を全員にします。常に同じ順番で質問すると有利不利が出ますので、質問ごとに順番を変える方がいいでしょう。個人の職歴などに関する個別質問はできませんが、考え方や強み、仕事に対する取り組姿勢を聞くことを通じて応募者の性格や熱意、論理思考、共感性、理解力、プレゼンテーション力などは十分判断できます。