今回も引き続き、損害調査を担当されているお二人の方への、火災事故に関するインタビュー第3弾です。セゾン自動車火災で損害調査を担当されているHさん、損害調査を業務内容の1つとする会社に所属し、鑑定人として活躍されているNさんです。

地震保険の鑑定方法はマニュアル化されている

地震保険の査定はマニュアル化している

地震保険の査定はマニュアル化している

清水  地震保険についてもお伺いしたいと思います。地震保険は国の法律に基づく保険ですから、どの保険会社で契約をしても、補償内容は一律ですよね。では、保険金が支払われる時の調査の方法なども、やはり一律なんですか?

Nさん そうですね。鑑定会社によって損害調査の結果が異なることのないように、損害調査の方法がマニュアル化されています。木造、鉄骨、さらに細分化された建物の構造ごとに異なるチェックシートを用いて鑑定するようなしくみになっています。

Hさん ただ、チェックシートに書き込めばいいという、簡単なものではないんですよ。地震被害の鑑定は、それなりに専門知識や経験が必要となるものなんです。そこで地震に関しては、一定の鑑定能力や経験のある鑑定人が手掛けることになっています。

清水  となると、限られた方しか損害調査ができないわけですよね。大きな地震があったら、調査人員が足りなくなったりしないんですか?

Hさん 大きい地震では足りなくなることがあります。阪神・淡路大震災の時もそうでした。そのようなわけで、地震のときには、全国から鑑定人を集めるんです。

Nさん 事故発生と同時に保険会社による争奪戦が始まるんですよ。

清水  へえ~。そうなんですか。

Nさん 阪神・淡路の時は私も現地に飛びました。それでも圧倒的に鑑定人の数が足りなくて現場に応援要員を20人ぐらい紹介しましたね。

Hさん  実際には、保険会社の担当者と鑑定人がセットになって損害調査を行うケースが多かったですね。

Nさん  そうですね。こうした損害調査のやり方は、地震被害だけではないんですよ。台風とか、水害などの広域災害は、全部同じような感じでやりますね。

鑑定内容の不満は率直に伝えて

清水  一般的な保険は、損害を受けた金額がおおむね保険金となりますが、地震保険では、受けた損害が「全損」「半損」「一部損」の3段階のどれにあたるかをあてはめて、3つのうちのいずれかの保険金が支払われますよね(出る?出ない?地震保険金)。

Hさん そうです。地震保険と他の保険との最大の違いはそこでしょうね。損害割合に応じた3つの保険金だけという。

清水  でも、ときには「鑑定の内容に納得できない」とおっしゃるお客さまもいるのではないでしょうか。たとえば、地震の保険金額が1000万円の建物の場合、全損だったら受け取れる金額は1000万円だけれど、半損なら500万円、一部損では50万円ですよね。この3つのどれに該当するかで、受け取れる保険金は大きく変わってくるのですから、全損と半損の中間とか、半損と一部損の中間といった損害だと、お客さまとしては、なかなか微妙ですよね・・。まあ、それは仕方がないにしても、調査段階で確認されていない損害があるなど、根拠があって鑑定に納得できない場合、再鑑定を受けることもできると聞いたんですが。

Hさん 順を追ってお話ししましょう。地震被害の調査では、まずは建物の外観で確認するのが基本になっています。建物の外観を調査をして、それ以上特に何もないということであれば、それで調査結果が出てきます。

Nさん こうしたとき、私の場合はだいたい、お客さまの建物の周りを2周します。1周目はお客さまと一緒にぐるり。その時に被害状況をデジカメに収めるのですが、「私が気付かないところは、教えてください」とお客さまにお願いしています。そのあと、さらに1周ぐるり。

清水  なるほど。お客様と一緒に損害確認のための共同作業するわけですね。

Nさん そうです。ただ、建物の外観を見ただけでは分からない内部で気になるところがあれば、たとえば、建物の内部などにひびが入っているとか、これまでの認定の内容が変わるような内容については、こちらも再度確認させてもらっていますよ。

Hさん 家の隅から隅まで確認するのは難しいこともありますし、時には確認が漏れてしまう場合もあります。もし、「この損害は確認してもらっていない」など、お客様自身で気になるところがあって、鑑定の内容に納得がいかないということであれば、ぜひお客さまから伝えてくださると助かりますね。

清水  なるほど。「再鑑定」などと難しく考えずに、まずは漏れがあれば率直に伝えることが大事なんですね。よく分かりました。

3段階の鑑定は保険金支払いを早めるため

建物内部に損害があれば伝えよう

建物内部に損害があれば伝えよう

清水  ただ、3段階の鑑定しかないってことは、逆に、地震被害の調査結果がでるのはとても早いってことですよね。

Hさん ええ、そうです。調査結果はその場で即決できるほど早いですよ。

清水  地震被害を受けて困り果てている時ですから、調査結果が速くわかって、さらに早く保険金が受け取れれば、お客さまは本当に助かりますよね。

Nさん 阪神・淡路の時も、私が担当したエリアでは、トータル1カ月ぐらいで損害調査をすべて終らせることができました。ただ、当時、地震被害のあった地区で、地震保険に入っている方自体がそもそも少なかったんですね。また、阪神・淡路では、一部の地域で全焼した建物がとても多かったですよね。つまり、鑑定上でいえば、全損は多かったものの、半損・一部損はそれほどなかったので、これも鑑定が迅速に進んだ理由でした。

清水  なるほど。では災害の規模にもよるということかもしれないですね。ただ、大きな災害が起きても、お客さまにできるだけ早く保険金が支払われるような工夫がなされていることは、とてもよく分かりました。今回、火災保険の請求に関してなかなか聞けない貴重なお話をたくさんお聞きできて、とても参考になりました。ありがとうございました。

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