「FUSION“融合”YOKAN」
地味な色合いの羊羹が多い中、「FUSION“融合”YOKAN」はとても華やかです。例えば千葉・なごみの米屋の「GINZAの街角」。同店の名物・栗羊羹にチョコレートやピスタチオ・松の実を添えたケーキのような羊羹。メープルシロップが別添えされています。
そして福岡・鈴懸の「雫」。キューブ型の羊羹に名物の鈴乃最中の皮を砕き、まぶしたもの。同店らしいセンスある新作です。羊羹は備中産白小豆を使い、メープルシロップで風味付けされています。興味をそそられる見た目と適度なサイズで、ついつまみたくなります。
ちなみにメープルシロップは、同イベントの新作羊羹のテーマです。優しい甘さと琥珀の色は、特に白餡を使った羊羹と合わせると映えるようです。中でもバランスの良さを感じたのは、とらやの「特製羊羹 中型 楓の薫」。とらやの羊羹独特の弾力の中に、洋の香りがふわりと漂い、異国情緒を醸し出しています。
「YOKAN Cafe」
持ち帰り不可・限定メニューばかりが揃う特設カフェ「YOKAN Cafe」。水羊羹をストローで砕いて飲む「羊羹抹茶オレ」、数量限定で吉祥寺・小ざさの羊羹などを盛り合わせた「羊羹プレート」、長野・新鶴本店の塩を効かせた「塩羊羹」とシャンパンのセットなど、素通りできないメニューが並んでいます。
このほか、著名人による羊羹に関するトークショーやデコレーション羊羹教室など、同イベントを盛り上げる企画も多数用意されているので、この機会にどっぷり羊羹の世界に浸ってみてはいかがでしょう。
羊羹にスポットを当て、全国の羊羹を一堂に集めたイベントはあまり例がなく非常に画期的。今回限りではあまりに惜しい、と尋ねてみると、今回を「羊羹コレクション」のスタートにしたいとのこと。日本各地を回るという案もあるそうなので、各地の皆さま、期待できるかもしれません。
<参考>
『事典 和菓子の世界』中山圭子著 岩波書店
<イベントデータ>
■「羊羹コレクション」
開催場所:銀座三越8階催物会場
開催期間:2010年11月3日(水)~8日(月)
◇トークショー(8階催物会場 特設スペース)
・11月4日(木)14:00~ 【軽妙羊羹トーク】本間正人
15:30~ 【落語と羊羹】落語家 月の家鏡太
18:15~ 【若い女性へ 羊羹のススメ】ライター 小石原はるか・料理研究家 鳥越美希
・11月5日(金)
18:15~ 【羊羹をたのしむ】茶道家・料理研究家 長谷川千佳
・11月7日(日)
11:00~ 【羊羹を描くこころ】イラストレーター 平野恵理子・阿部真由美
13:00~ 【羊羹と季節】テレビ朝日 気象予報士 今村涼子
15:00~ 【羊羹をたのしむ】茶道家・料理研究家 長谷川千佳
・11月8日(月)
14:30~ 【わたしと羊羹】経済評論家 勝間和代
◇デコレーション羊羹教室
11月3日(水・祝)・5日(金)・6日(土) 各日11:00~・14:30~
・8階催物会場 特設スペース
・定員:各回先着15名様(10歳以上から)
・所要時間:各回約90分
・材料費:税込1575円
・申込み:各回開催1時間前より会場内特設スペースにて受付。
栗羊羹と浮島を合わせた棹菓子の上に、羊羹製のそぼろや紅葉をかたどった羊羹を作り、飾り付ける。
◇予算一例:(持ち帰り)
羊羹工房 渕上「挽き茶のみどりのようかん」1本1,801円
とらや「カレ ド 羊羹」12個入り1,575円
青柳正家「栗具楽生(クリグラッセ)」1個840円
なごみの米屋「GINZAの街角」1個630円
鈴懸「雫」9個入り945円
◇予算一例:(カフェ)
「羊羹抹茶オレ」1杯735円(各日40点限り)