VW(フォルクスワーゲン)/ポロ

GTIの弟分、専用TSIエンジン+DSGを持つポロGTI登場(3ページ目)

2010年9月、ポロのスポーツモデル「ポロGTI」が発売された。新たにスーパーチャージャーとターボチャージャーという2つの過給機を備えた1.4L TSIエンジンと、7速DSGを搭載が与えられたパワートレインや、GTI専用のスポーツサスペンションにXDSが与えられた足まわりにより、「GTI」の名に相応しいダイナミックな走りを追求。注目のホットハッチの乗り味はどんなものか?

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

ゴルフGTIよりも「ホットハッチ」の雰囲気が濃い

走行

足まわりは、15mmローダウンされたGTI専用のスポーツシャシーを採用。さらに、ポロGTI初採用となる電子制御ディファレンシャル「XDS」を搭載。ただし、ゴルフGTIには設定のある、減衰力や電動パワステの特性を瞬時に最適に制御を行なうDCC(アダプティブシャシーコントロール)は用意されておらず、減衰力非調整式のシンプルな専用スポーツサスペンションが与えられている

ダンピングを効かせた引き締まった足まわりにより姿勢変化を抑えつつも、先代よりも全体的に快適性を高まっているのがまず印象的。さらに、ゴルフGTIと同じく、トラクションを高め、アンダーステアを軽減するというXDSが与えられているのが特徴。これのおかげもあってか、ハンドリングもいたってニュートラル。操作に遅れることなく俊敏に反応する運動神経と、イメージどおりにラインに乗せることのできる素直な操縦性が与えられています。

これをゴルフGTIと比べると、やはり兄貴もウワテ。フロントがマクファーソンストラットであるのは同じながら、リアはゴルフGTIがマルチリンク(カタログには「4リンク」と記載)であるのに対し、ポロGTIはビーム式(カタログには「トレーリングアーム」と記載)となっています。これによる乗り味の違いもポロGTIとゴルフGTIの差であり、ゴルフGTIのほうがさらに快適性で上回り、懐の深い豊かなサスペンションストロークを持ちつつ、姿勢変化も小さく抑えられています。これに対しポロGTIは、やや腰高な印象のある素性を巧みに活かし、回頭性の高さに結びつけている印象です。一方で、ボディの小ささと軽さはポロGTIの大きなアドバンテージ。手の内で操ることのできる感覚は、ポロGTIのほうが上。いかにも「ホットハッチ」という雰囲気は、ポロGTIのほうが上回るという印象です。これは好みの分かれるところでしょう。

ガイドとしては約70万円というけっして小さくない価格差を考えても、本当はゴルフGTIがいいという人は、がんばってゴルフGTIを狙うべきかと思います。価格を理由にポロGTIでガマンするというのはもったいない。そうではなく、ポロGTIのこのサイズ感や、小気味よい乗り味が好みという人に、ポロGTIを積極的に選んで欲しいところです。世界的に好調な販売を続けるフォルクスワーゲンの中でも、ポロGTIの人気はとても高く、もともと生産台数が少ないにもかかわらず予約も活況で、需要に対し供給が遅れ気味の状態とのこと。ポロGTIを早く愛車にしたい人は、急いだがよさそうです。
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