VW(フォルクスワーゲン)/ポロ

GTIの弟分、専用TSIエンジン+DSGを持つポロGTI登場(2ページ目)

2010年9月、ポロのスポーツモデル「ポロGTI」が発売された。新たにスーパーチャージャーとターボチャージャーという2つの過給機を備えた1.4L TSIエンジンと、7速DSGを搭載が与えられたパワートレインや、GTI専用のスポーツサスペンションにXDSが与えられた足まわりにより、「GTI」の名に相応しいダイナミックな走りを追求。注目のホットハッチの乗り味はどんなものか?

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

0-100km/h加速はゴルフGTIと同タイム

7速DSGフロアセレクター

乾式クラッチを持つ7速DSGを搭載。GTI専用ステアリングホイールにはポロ初となるパドルシフトを採用

乾式クラッチと湿式クラッチのドライブフィールについて、つながってしまえばあまり違いはないのですが、微低速や坂道発進でのクラッチミートに若干の差があります。とはいえポロGTIでは、基本的にはフォルクスワーゲンの他の車種にも積まれている乾式クラッチを持つDSGと同じものながら、エンジントルクが高いせいか、単に新しいせいか、先の1.2TSI等に比べて微妙にスムーズになっているように感じられたのは気のせいでしょうか……。

また、MTの設定がなくなったことを憂う声も聞こえてきそうなところ(かくいうガイドもそのひとり?)なのですが、フォルクスワーゲンでは、DSGならばMTのかわりもつとまると判断しているようです。

ちなみに公表値によると、0-100km/h加速は、現行ポロGTIとゴルフGTIは、エンジンスペックと車両重量の関係で、いずれも6.9秒とまったく同じタイム。ちなみに先代ポロGTIに比べると、1.4秒も速いことになります。最高速は、ポロGTIが225km/h、ゴルフGTIが238km/hとなっています。

走行

専用ハニカムグリル、上下に施された赤いライン、専用バンパー、サイドスカート、リアスポイラー、クロームデュアルエキゾーストパイプなどを装着。GTI専用の17インチアルミホイールや、レッドブレーキキャリパーなどもスポーティさを演出

実際、エンジンフィールは強力そのもの。発進から低・中速域にかけてはスーパーチャージャーが、高回転域ではターボチャージャーがスムーズに過給を受け継ぐという仕組みのツイチャージャーエンジンは、1.2Lという小排気量ながら、全域にわたって太いトルクを発生します。このくらい力強ければ、十分に「GTI」としての期待には応えているといえるでしょう。

さらに感心したのはフットワークです。先代のポロGTIは、それはそれでスポーツモデルとしてはわかりやすい楽しさはあったものの、けっこうな「ジャジャ馬」。パワフルなエンジンに対しトラクションがまったく追いついておらず、乗り心地もスパルタン。洗練されていたゴルフGTIのサイズダウン版的な乗り味を想像していたガイドとしては、どちらかというとやや期待はずれだったのは否めません。新しいポロGTIも同じような感じなのか、それともガイドの望んだイメージに近づくのか、とても興味があったのですが、今回はどうやら後者。プラットフォームは基本的に先代のキャリーオーバーながら、セッティングが細部まで煮詰められたことがうかがえます。

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