野うさぎ料理
ジビエ料理の王様「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル」
リエーブル・ア・ラ・ロワイヤルとは、簡単に言うと「野うさぎ」の肉でフォアグラやトリュフを巻いたモノをトロントロンになるまでワインで煮込んだ料理のコトです。
なぜに「ロワイヤル=王家」という言葉を冠するのかというと、ルイ14世にまつわるエピソード等、諸説はいくつかあるが、真実は歴史の中。ただ、「王の皿」とまで言われるだけあって、この一皿を作り上げるためには、気が遠くなるような手間暇とコストがかかる。究極の一皿と言っても過言ではありません。ちなみに、小出シェフは下ごしらえだけでも一週間。そこから、さらに煮込みで三日間もかけられているというから驚きです。
使われる食材は、リエーブル(今回は国産)以外にも、フォアグラやトリュフ等、高級食材のオンパレード。さらにリエーブルの臭いを消すためだけに下準備の段階で大量のコニャックに漬け込み、良質なワインで煮込み続ける、という「王家(ロワイヤル)」に相応しい料理なのです。
重層的な香りが堪らない
ショコラのような艶やかで滑らかなソースは、血の味わいとは思えないほど気品に溢れたノートを鼻腔に拡げつつ、天国のような幸せを優しく舌と心に付与してくれますし、三日間も赤ワインでじっくりと煮込まれた肉質は、フォークを入れるだけで崩れるほど柔らかく、噛みしめる度に、様々なテイストが舌の上を駆け抜けていくのです。
箸休めのニョッキ
料理とワイン、互いが引き合うように一つとなる
そして何より、このワインが小出シェフの作られたロワイヤルと渾然一体のマリアージュを果たしてくれるんです。こんな完璧なマリアージュは生まれて初めてかも……。「寄り添う」なんてレベルではなく、まさに「合体」! 長年連れ添った似たもの夫婦のように、互いを包み合うように夢のようなマリアージュを魅せてくれるのです。やはり、最高のワインには、それに見合うワインと一緒に愉しみたいですね。
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