大阪グルメ/大阪のフレンチ

ジビエ特集!(4ページ目)

いよいよ秋本番! フレンチのメニューにもトリュフやジビエが登場する季節ですね。そこで今回は「ジビエ特集」と題しまして、「リエーブル(野うさぎ)」や「グルース(雷鳥)」を使った料理を御紹介していきます!

執筆者:麻生 玲央

野うさぎ料理

ジビエ料理の王様「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル」

ジビエ料理の王様「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル」

そして、古典フランス料理の最高峰に位置する究極のジビエ料理が、こちら「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル(Lievre a la royale)」。

リエーブル・ア・ラ・ロワイヤルとは、簡単に言うと「野うさぎ」の肉でフォアグラやトリュフを巻いたモノをトロントロンになるまでワインで煮込んだ料理のコトです。

なぜに「ロワイヤル=王家」という言葉を冠するのかというと、ルイ14世にまつわるエピソード等、諸説はいくつかあるが、真実は歴史の中。ただ、「王の皿」とまで言われるだけあって、この一皿を作り上げるためには、気が遠くなるような手間暇とコストがかかる。究極の一皿と言っても過言ではありません。ちなみに、小出シェフは下ごしらえだけでも一週間。そこから、さらに煮込みで三日間もかけられているというから驚きです。

使われる食材は、リエーブル(今回は国産)以外にも、フォアグラやトリュフ等、高級食材のオンパレード。さらにリエーブルの臭いを消すためだけに下準備の段階で大量のコニャックに漬け込み、良質なワインで煮込み続ける、という「王家(ロワイヤル)」に相応しい料理なのです。

リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル

重層的な香りが堪らない

ロワイヤルの上には、トリュフと、フォアグラを乗せてあり、一見すると「ロッシーニ風」のような豪華さ! 今年初のトリュフの香りの高さと、フォアグラの食感、そこに、ロワイヤルの馨しい風味と存在感が五感を支配していき、気が付けば頭の中は夢心地。

ショコラのような艶やかで滑らかなソースは、血の味わいとは思えないほど気品に溢れたノートを鼻腔に拡げつつ、天国のような幸せを優しく舌と心に付与してくれますし、三日間も赤ワインでじっくりと煮込まれた肉質は、フォークを入れるだけで崩れるほど柔らかく、噛みしめる度に、様々なテイストが舌の上を駆け抜けていくのです。

ニョッキ

箸休めのニョッキ

さらに、リエーブル・ア・ラ・ロワイヤルをいただく時に必須なのが、お手休みにいただく別皿ガルニ(付け合せ)の存在。この日はジャガイモのもちもちニョッキでしたが、箸休めとして、そのまま食べてもいいですし、ロワイヤルのソースにつけていただいても美味。こういう付け合せスタイルも古典フレンチの醍醐味ですね。

マリアージュ

料理とワイン、互いが引き合うように一つとなる

あと、「サクラ」のソムリエさんが選ばれたワインとの相性の良さも特筆物! 今回この料理に合わせたのは、バタイエの90年ヴィンテージ。土に還る寸前の枯れ具合というか、余計な雑味が消えて素晴らしい風味を醸し出しています。

そして何より、このワインが小出シェフの作られたロワイヤルと渾然一体のマリアージュを果たしてくれるんです。こんな完璧なマリアージュは生まれて初めてかも……。「寄り添う」なんてレベルではなく、まさに「合体」! 長年連れ添った似たもの夫婦のように、互いを包み合うように夢のようなマリアージュを魅せてくれるのです。やはり、最高のワインには、それに見合うワインと一緒に愉しみたいですね。

次ページでは、ジビエ以外の「秋コース」料理をご紹介します。
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