昼は明るく夜は暗く
この夏、記録的な暑さが続きました。10 月になって高めの平均気温とは裏腹に日の入り時間は日々刻々と早まり、確実に夜が長くなっています。秋の夜長と言って、家の照明がより活躍する季節に入りました。秋は天気も変わりやすく、窓から入射する自然採光も安定していません。私たちの身体は季節の変わり目に支障をきたしやすく、気分も浴びる光の量に影響して不安定になりがちです。
もともと人は、朝から日中にかけて白く明るい光を浴びることで自律神経系の交感神経が優位に働き、活動的な気分になります。雨や曇りの朝は目覚めが悪く、仕事や学校に行きたくなくなることがあります。このような気分にさせる原因の多くは光の影響、と言えるでしょう。
写真1,明るく白い光でさわやかな目覚め
天気が悪く、もし室内に入る自然光が弱い場合は人工照明で補うことが奨められます。朝から昼の部屋は白い光で明るくすることが奨められます。逆に夜は暖かい光でお部屋全般はあまり明るくないことが、自律神経系の副交感神経を優位に働かせ、リラックスの気分を高めます。夜に昼間と同じような白い光の中にいると何となく寒々として、気持ちがブルーになります。
暖かい光と言っても、ただ空間全般を照らすだけでは気分が高揚しません。もし一人で生活していると、逆に人恋しくなったりすることもあります。できればお部屋全般は少し暗めにして、必要なところを明るくするように心がけましょう。例えば読書をしていれば誌面に当然明るい光が求められます。
写真2、夜は明るさを抑えた暖かい光でリラックス
キャンドルに火をつけて、好きな音楽を静かに聞いてみる。コーナに観葉植物があれば、ライトアップして部屋を少し広く見えるようにしてみてください。そこで目を閉じて瞑想をし、ときどき眼を開けて、部屋を見渡すと日常とは異なる部屋の様子を感じ、仕事で疲れた精神を癒してくれるに違いありません。
家の主たる部屋は白い光と暖かい光の両方を用意することが望まれます。そして自然採光の量やその時の気分、生活行為にあわせて朝と昼、夜で上手く使い分けられるようにすることが部屋の照明に必要なのです。