マザコンの男性はいかにしてマザコンになってしまったのでしょう? |
そもそも、日本の男性は、欧米の男性と比べると、マザコン気味かもしれません。結婚後、子供が生まれると、次第にセックスレスになり、妻を「ママ」とか「お母さん」とか呼んでしまう…。欧米の男は、妻を「ハニー」とか、甘い言葉で呼んで、決して、「ママ」とは呼ばないと思います。では、どうしてこうなってしまうのでしょう。それには、母親に対するコンプレックスが関係してます。
今回は、マザコンとはどういうものか、精神医学的な面から考察してみたいと思います。
マザコンの別名:「エディプス・コンプレックス」とは?
マザコンはマザー・コンプレックスの略ですが、別名、エディプス・コンプレックスと呼ばれています。これは古代ギリシャのエディプス王の神話に由来していて、精神分析の大家フロイト(1856~1939)によって命名されました。エディプス王の話のあらすじは以下の通りです。テーバイの国王だったエディプスの父親は、実の子供に殺されると神のお告げを受け、生まれたばかりのエディプスを殺すように家来に命じます。しかしエディプスは殺されず、遠くの国へこっそりと捨てられました。その国の王様に拾われて育てられたエディプスは、やがて出生の秘密を知り、「実の父親を殺し、母親と結婚する」というお告げを受けて、放浪の旅に出ます。旅の途中、怪物とのナゾナゾ勝負に勝ったエディプスは、その国で王を亡くして未亡人になっていたお后と結婚し、新しい王となったのです。しかし、それはエディプスの生まれ故郷。結婚してしまったお后が実の母親であり、放浪の途中で殺した男が実の父親であったことを知って絶望したエディプスは、悲しい最期を遂げる、というお話です。
父親を殺し、母親と結婚するというエディプス王の話は、気持ちの良い話ではありませんが、初めてこの話を読んだり聞いたりした時、心を強く揺さぶられませんでしたか?
父親を殺し、母親と結婚するというのは極端ですが、フロイトによると、母親に性的な憧れを感じ、父親を憎むという気持ちは、5歳頃の男の子に、程度の差はあれ、皆、芽生えるもので、これをフロイトは「エディプス・コンプレックス」と名付けました。通常、このコンプレックスは小児期に解消されますが、時には、解消できないまま、大人になってしまうことがあります。
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