性的な悩みにもお国柄が出る事があり、他所の国の人から見ると、珍しい心の病気に見える事があります
若い男性にとって性的な事は頭を占めやすい事柄ですが、性欲は睡眠、食欲と同じく、人の根元的な欲求です。欲求が満たされないと、気分は冴えず、イライラしやすくなり、心の病気のきっかけになる事がありますが、精神症状の現われ方にお国柄が出る事があります。例えば、元はうつ病であっても、症状が地域特有な出現の仕方をするので、文化依存症候群に分類されるものがあるのです。

今回は、南アジアの若い男性に見られる、ダット(dhat)について述べたいと思います。

おしっこに白いものが混じっている…ダット

インド、パキスタンなど南アジアの若い男性に見られるダット。「おしっこに精液がまじっている」と言って、真っ青な顔で病院に飛び込んで来ます。私達日本人なら、例え、おしっこに何か白いものが混じっていたとしても、あまり深刻には受け止めないでしょうが、この男性にとっては、自分が男性としての機能を喪失していく最中なのです。ダットでは以下のような症状が特徴的です。
  • 体に力が入らない
  • 疲れやすい
  • 気分の落ち込み
  • 罪の意識
  • 強い不安感
  • 不眠
  • 性的に機能しない
精神的な原因で若い男性に性機能で問題が生じる事はよくある事ですが、南アジアではインポテンツで病院に相談に来る若い男性のかなりの割合がダットだそうです。ダットは南アジアではありふれているものの、他の国ではほとんど見られないので、文化依存症候群に分類されていますが、ダットにはうつ病、不安障害などの一般的な心の病気との共通点も多いのです。

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