◆乳酸発酵食品を積極的に食べましょう◆

乳酸菌は繁殖しながら糖分を分解して乳酸を作り、これを乳酸発酵と呼びます。乳酸による発酵食品というとヨーグルトやチーズなどを思い浮かべますね。最近は、ラクトバチルスG21株(LG21菌)、ラクトバチルス・ジョンソニ株(LC1菌)、ビフィズス菌ヤクルト株(B.ブレーべ・ヤクルト株)など、「プロバイオティクス」をキャッチフレーズにPRしている乳酸菌飲料やヨーグルト等も販売されています。TVなどでも取り上げられているので、よくご存じですよね。

また「プロバイオティクス」とよく似た言葉ですが、「プレバイオティクス」という言葉も使われています。これは、「プロバイオティクス」の好物で餌と言えるもの。例えば、オリゴ糖は、消化されずに腸に届き、ビフィズス菌の餌となり、善玉菌の働きを活発にして、悪玉菌を抑えます。フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖などが商品化され、特定保健用食品に認可されているものもあります。


◆日本の伝統的な発酵食品は、プロバイオテイクスの宝庫◆

意外かもしれませんが、日本の伝統食品であるみそ、しょうゆ、漬物,甘酒なども乳酸や酵素の発酵により作られます。みそ、漬物と言えば、塩分が高く、食塩の取りすぎは動脈硬化や脳卒中の原因になるということから敬遠されがちでした。しかし、またここにきて乳酸菌が健康によいということで、改めて見直されています。

例えばお漬物の場合、野菜が漬かると乳酸菌を生み、発酵を進め風味が増します。漬物が古くなると酸っぱくなるのはこの乳酸菌のためです。漬物の塩分は、野菜の腐敗を抑え、有効な乳酸菌を増やしてくれる働きがあります。さらに野菜に含まれる食物繊維が乳酸菌の餌となって乳酸菌を増やし、腐敗菌退治に役立つとも言われています。

またぬか漬けの場合、ぬかには1グラム中に1億個以上の乳酸菌がすんでいます。さらにビタミンB1やミネラルも含まれ、それを添加してくれるので、生の野菜を食べるよりも、栄養素がたくさんとれるのです。

最近では、醗酵による製法ではなく漬物が簡単に作れる漬物調味液などがありますが、これは調味液の成分や風味が材料の野菜に浸透するものです。発酵はしませんので、乳酸菌やその他微生物の作用は期待できません。

◆海外から「マジックピクルス」として注目された京都のお漬物◆

日本の伝統的なお漬物は、地域の特性や名産品を活かしたものが多く、それぞれに素晴らしいパワーが秘められているようです。例えば近年話題となったものとしては、インターフェロンの研究では日本の先駆者といわれる(財)ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士は、京都の伝統的醗酵漬物「すぐき」の中に、「ラブレ乳酸菌」
がいることを発見し、分離に成功しました。この菌は、乳酸菌の中でも、特に免疫賦活効果が実証された数少ない存在です。

「ラブレ乳酸菌」は、ガン予防やC型肝炎、エイズ予防などに効果的なのではないかと期待されています。そして数々の研究の結果、「ラブレ乳酸菌」を摂取し続けると、人の健康維持に大切なインターフェロンの産生能が向上することが分かりました。日本生まれの乳酸菌「ラブレ菌」のニュースは、1993年マスコミで大きく報道され、健康志向の先進国アメリカでも「マジックピクルス」として紹介されました。

このようにお漬物は、日本の深い食文化、発酵文化が育んできたプロバイオティクスだったです。まだまだ日本の伝統食の中には、素晴らしいパワーを秘めた食べ物がありそうですね。

*乳酸菌は、高温の熱に弱く、調理によっては、乳酸菌が死んでしまい働かないこともあります。

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