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40年後は、お刺身が食べられないかも?!(3ページ目)

このまま乱獲や水質汚染が続けば、食卓に魚介類がのぼらなくなってしまうかも。そんなショッキングな研究報告がありました。世界の中でも魚食大国の日本人はどうする?

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

家庭からでる食品のゴミは、1人1日47.3グラム。

食べ物
私たち日本人は、たくさんの食品を輸入していますが食べきれずに多くの食品を捨てています。画像提供/Eyes Pic
農林水産省の「食品ロス調査」(平成18年8月4日発表)によると、平成17年度の日本人が家庭で消費している食品の量は1人1日あたり1.167グラム、可食部分の食品廃棄量は1人1日あたり47.3グラムで、食品廃棄率は、
「果実類」の9.8%、
「野菜類」の8.9%、
「魚介類」の7.3%の順でした。

廃棄食品のうち、食卓に出した料理を食べ残した理由(複数回答可)では
「料理の量が多かった」72.3%
食品を使用せずに廃棄した理由(複数回答可)は、
「食品の鮮度が落ちたり、腐敗したり、カビが生えたりした(57.4%)」
「食品の消費期限・賞味期限が過ぎた(45.6%)」
といった回答が多く見られました。

この内容を見ると、私たち消費者が一人ひとり「もったいない」という意識をもって買い過ぎや作り過ぎを控えたり、こまめに冷蔵庫の保存品をチェックすることで、随分廃棄物は減らすことはできるのではないかと思います。

有効利用できない家庭の生ゴミ

上で紹介した一人ずつの廃棄量はわずかで「案外たいしたことない」と思われるかもしれませんが、まとめて見るとどうでしょう。

少し古いデータですが、農林水産省の推計で平成8年度の食品廃棄物の総排出量約1,940万tのうち、家庭からは約1,000万t(51%)が排出され、食品販売業、外食産業などから約600万t(31%)、食品製造業などから約340万t(18%)が排出されています。この日本全体の食品廃棄物量約2,000万トンは、途上国の 7000万人以上が1年間食べられる量に匹敵するといわれています。(ODA新聞)

平成13年5月「食品リサイクル法」が施行され、年間食品廃棄物排出量が100トン以上の食品関連事業者は、食品廃棄物の発生抑制、減量および再生利用が義務付けられるようになっています。たとえば、食品メーカーや外食産業などから排出されたもの、調味料等が混ざる前の原料が中心になるため、肥料や飼料などのサイクルに利用できるものが多く、平成18年度に再生利用率を20%まで引き上げるのが目標になっています。けれども、家庭からで生ゴミは、調味料が混入していたりするので、リサイクルしにくいのが現状で、ほとんどが焼却や埋め立て処理されています。

腹八分目、無駄なく食べる努力を

確かに家庭から出るゴミは農産物が多く、ゴミを減らしたから、直接は水産資源の問題につながらないかもしれません。とはいえ、現在の日本人は、食べすぎや偏食から肥満になり、糖尿病などの生活習慣病が増加しています。にもかかわらずたくさんの食べ物を輸入し、食べきれずに捨てている。なんとも矛盾に矛盾を重ねています。

先日も値段は少し高いけれどかなりネタがよいという回転寿し屋さんに行きました。すでに時間がたって、乾き始めたお寿司は誰も手を伸ばしません。一定の時間がくると片付けられた後はおそらく捨てられているはずです。

あれだけのお寿司が捨てられると思うと、とてももったいなくて、心が痛みます。回転寿しは、確かに自分で好きなものをとることが楽しいのでしょうが、オーダーしてから握ってもらうとか、透明な容器にいれて乾燥を防ぐとか、まだまだ工夫はできそうです。私たち、消費者からの「もったいないことはしないで」という声が集まれば、お店や企業を買える事ができるかもしれません。

「マグロが減って食べられない」と騒ぐより、まず私たちは、「腹八分目、必要な分だけを大切にいただく」という節度を持つ事が必要なのではないかと思います。

■参考
読売新聞
毎日新聞
WWF Japan
ODA新聞

■関連リンク
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