このままの規模で、魚の乱獲と水質汚染が続いた場合、2048年までに食用可能な魚介類のほとんどは消滅してしまうだろう・・・・。というセンセーショナルな報告がありました。日本は、世界でも魚の消費量が多い国。さてさて、どうしますか?

<CONTENTS>
  • 乱獲と汚染が続けば、魚が食べられなくなる?……P.1
  • 環境に配慮した海産物……P.2
  • 腹八分目、大切に食べましょう!……P.3

    魚の脂をもつ豚

    いつだったか忘れましたが、以前「魚などに含まれているオメガ3脂肪酸を含む遺伝子組み換え豚の飼育に成功」という記事を読みました。

    確かに、魚には、血行をよくする脳を活性化するなどの作用で、健康維持に有効なオメガ3脂肪酸のEPAやDHA等が含まれていいます。

    その時に一瞬、「魚に含まれている成分は、魚を食べて摂取すべきではないか」と思ったのですが、でもすぐに、これはただ「魚嫌いの人にも健康的なオメガ3脂肪酸を取りやすくするため」というだけではないことも浮かんできました。

    将来地球温暖化による生態系の変化で、水産資源が激減したりすることが考えられるため、それに備えての研究も必要なのかもしれないと思いました。そんな心配が、現実味を帯びてきているのです。

    乱獲と汚染が続けば、天然魚が食べられなくなる?

    お造り
    40年後、おいしい魚介類が、食べられなくなってしまうなんて・・・。
    このまま乱獲と水質汚染が進むと、2048年までには天然魚が食べられなくなるかもしれないという報告は、カナダ・ダルハウジー大などの国際チームが報告がまとめ、米科学誌サイエンス(2006年11月3日付)に掲載されました(読売新聞11月4日引用)。

    チームは、1953年~2003年までの世界の海洋調査や魚群記録などのデータを解析した結果、世界で漁獲した魚の29%は、同年の時点で漁獲量の90%が減少。その原因は、乱獲や汚染などによる生態系の破壊と見られ、湖や川でも同様の傾向がみられています。

    すでに大西洋マダラは危険な状態にあり、将来的には、食卓になじみ深いアサリなどの二枚貝からカジキやキハダマグロなどのマグロ類、さらには魚をえさにする鯨類などにも影響し、漁獲困難な水準に衰退するだろうというのです。

    同研究チームは「個別の種の保護から、包括的な海洋生態系の管理へと、保護政策を転換する必要がある」と見解を述べていますが、国連の食糧農業機関(FAO)の当局者は、「人類が何の対策も講じなかった場合の試算であり、あり得ない」と反論しています。

    どちらにしても、生態系破壊の問題は深刻なのだということに間違いありません。

    マグロは漁獲割当削減や供給不足で高騰

    こうした水産資源を保護する流れの中で漁獲量が制限されています。最近よく話題になるのは日本人が大好きなマグロ。高級なクロマグロ、ミナミマグロだけでなく、大衆的なメバチマグロやキハダマグロについても最近削減が勧告されています。

    マグロは、1985年頃から輸入品が急激に増え、私たちが食べている刺身の半分以上は、中国や台湾、韓国からの輸入です。財団法人世界自然保護基金ジャパン (WWF japan)のサイトによると、日本は、なんと世界の漁獲量の約3分の1を日本が消費していることになるそうです。

    ところが欧米や中国でも、BSE問題や健康志向による日本食ブームなどの影響で、魚の消費が拡大し、これまで世界一の消費大国だった日本が今までのように輸入量を確保できないケースも増えているのです。

    天然がダメなら養殖すればと思いがちですが、マグロの養殖の場合、1トン分のマグロを育てるのに、イワシやサバなど約5トンものエサが必要な上に、「世界的に魚食が拡大すれば、エサとなる魚を食べるようになり、養殖ビジネスは成り立たなくなる」という見方もあるのです(毎日新聞)

    供給量が減れば当然値段が上がり、食品産業や流通、そして私たち消費者も辛いのは確か。
    でも今生きている私たちのためだけでなく、未来に生きる人のためにも、海の幸や、それを楽しむ文化を守るのも大切なこと。そのために、私たちには何ができるでしょうか。次のページで考えていきましょう。>>