ごはんを主食に1汁2~3菜を目安のお献立に。 |
風土にあった伝統食こそ長寿の秘訣
これまでも記事でご紹介してきたように、日本の食事は世界的に注目されています。ただ一口に伝統的な食事と言っても、日本の歴史も長く、時代やその年の気候によっては、食べるものが満足ではない時代もあります。どのような食事が評価されているかというと、ごはんを主食に魚介類や野菜、海草、大豆食品など多様な食品を食べ、また適度に肉類や植物性油脂類を取り入れた、「日本型食生活」。だいたい昭和40年代頃の食事のバランスですが、この頃から日本の平均寿命は飛躍的に伸びてきました。また日本の伝統的な食材そのものも、動脈硬化を予防することなどで、欧米から脚光を浴びています。
伝統的な食材とは、
大豆製品
昆布などの海草
魚介類
味噌や、醤油、お漬け物などの発酵食品
茶
等があげられます。
国民栄養調査によると、現在の日本人の特に30代~60代男性や、子どもには肥満が増えています。油脂や糖分を多くとり、野菜は不足しがちな傾向にあり、ほどよい日本型食生活よりも、欧米型に偏りが強くなってしまったのです。近年の健康ブームで、増加し続けているわけではありませんが、肥満を改善するにはもう少し摂取量を減らした方がよさそうです。
ただ、油脂というと肉類が悪いととらえがちですが、肉類を食べることがカラダに悪いのではなく、食べ過ぎることに問題があるということで、肉類は、良質なたんぱく源でもあります。高齢者では、肉類や乳製品などのたんぱく質もとっている方が長寿という指摘もありますから、単純に肉類がカラダに悪いというような誤解はしないようにしてください。
伝統食こそ長寿の秘訣
カスピ海ヨーグルトで知られる京都大学 家森幸男名誉教授は,WHOの共同研究プロジェクトで世界中の長寿地域と短命地域を訪ねて,食生活と循環器疾患,寿命との関係について25カ国58カ所を調査した結果,「長寿に秘薬はない。風土にあった 伝統的な食生活にこそ長寿の秘訣がある」と結論づけておられます。(お米・ごはんデータベースより)ご飯を主食に,魚,大豆,海藻,新鮮な 野菜といった食材を特徴とする日本の伝統食は,極めて優れた「長寿食」として大切にすべきであり,これに東西の食文化を融合していけば理想的な長寿食にできる、とも述べています。また逆にそうした伝統食を失うと、短い期間で健康長寿がなくなってしまう傾向が見られます。
私が、今回日本人が世界に誇れる長寿食として、改めてご紹介したいのは、「コメ」です。そのお話の続きは、次のページで>>