おからの健康効果・美容効果は? 注目の日本のスーパーフード

搾りかすとして多くが廃棄されてしまう「おから」。実は人気の豆乳よりも栄養価が高いことはあまり知られていません
ちなみに、豆乳ににがりなどの凝固成分を加えて固めたものがお豆腐です。おからも、元はといえば同じ大豆の一部。豆乳には少ない食物繊維も多く、女性の健康美をサポートしてくれる栄養素がギュッと詰まっています。それではおからの注目すべき成分について見てみましよう。
おからにも含まれている注目すべき3つの成分
1. レシチン:脂肪代謝や脳の活性化に働くレシチンは、大豆に含まれる不飽和脂肪酸。不飽和脂肪酸は、血管に付着したコレステロールを溶かし血流を良くしたり、固まるのを防いだりする働き(脂肪代謝機能)があり動脈硬化を予防すると期待されています。
また脳の情報伝達に関わる神経細胞の重要な材料となり、脳の老化や予防にも役立つのではないかと考えられています。
2. サポニン:老化や生活習慣病予防に働く
大豆サポニンは、いわゆるえぐ味の元となる成分。このサポニンは、血管内に付着した脂肪を掃除し、活性酸素の働きを抑制する、腸を刺激し便通をよくするなどの働きから、生活習慣病や老化防止、さらには発ガン抑制、エイズ発症抑制の効果なども期待されています。
3. イソフラボン:骨粗しょう症、乳がん等に効果
イソフラボンはサポニンの仲間ですが、食物の中では大豆に最も多く含まれています。この物質が注目されているのは、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするからです。
女性ホルモンの減少によって起こる更年期障害の諸症状に効果が期待されています。女性ホルモンはカルシウムが溶け出すのを抑制することから、骨粗鬆症や乳がん、前立腺がんの予防効果があげられます。
その他イソフラボノイドの効果には、高血圧・コレステロールの抑制、循環器疾患のリスク軽減などが挙げられます。
これらの成分の機能性についてはまだまだ科学的検証が必要ですし、食品としてのおからを食べたから病気が治るというものではないので、過剰な期待をして偏った食べ方をしないようにしてください。
おからは豆乳よりも栄養価が高いのか? 栄養素の比較
大豆から受けついだ栄養は他にもあります。アミノ酸バランスの優れたタンパク質、カルシウムなどのミネラル、ビタミンB群などですが、下記の比較を見れば、豆乳や豆腐以上に栄養価が高いことがおわかりになると思います。■大豆と大豆加工品に含まれる主な栄養価 特に不足しがちな食物繊維(成人の目標摂取量は1日20~25g)が豊富です。食物繊維が多いと腹持ちがよくなりますし、余分な脂肪の吸収も妨げるので、ダイエット中の食欲を抑えることにも役立ちます。また、食物繊維は整腸作用がありますので、便秘の予防・改善などの働きも期待できます。
おからを食べるとエコにもつながる
豆腐にするために使用される大豆の量の1.35倍のおからが出ます。というのは水分が66~82%含まれるからです。おからの一部は食用として消費されますが、水分が多く輸送が困難なために、大部分は有料の産業廃棄物として廃棄・焼却処理され、大きな負担ともなっているのです。食品リサイクル法なども施行され、ゴミ処理の問題、地球温暖化などの地球環境問題からも、おからの有効活用は重要なテーマです。近年では、乾燥パウダーに加工して日持ちが向上され、飼料・肥料や機能性食品、化粧品としてリサイクルされています。
ダイエットにも効果? おからを使ったお菓子でカロリーカット!
おからで焼き菓子などのお菓子を作ると、小麦粉を使う場合に比べてカロリーカットできるそうです。また食物繊維なども多いお菓子になるのも魅力ですね。私は、時々おから入りのチョコブラウニーを作ります。ただし、おからをそのまま使うとぼそぼそしてしまいがち。しっとりさせるにはバターなどの油分やクリームなどを加えるとよいのですが、入れすぎると今度はカロリーが高くなるので注意してください。
■参考
・「食品リサイクル法に係る発生抑制」(日本豆腐協会)
・八訂食品成分表
・日本豆腐協会資料「食品リサイクル法に係る発生抑制」