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溝の口、新旧が混在、10年で大変化を遂げた街(2ページ目)

江戸時代の宿場町として歴史ある街溝の口が変わり始めたのはここ10年ほど。再開発で駅周辺は一変したものの、少し歩けば、歴史も自然も豊富、多彩な表情がこの街の魅力です。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

大規模マンション中心、
広めで共有施設充実の物件も豊富



大規模物件と住宅街
駅から10分以上離れた場所は一戸建て、大規模マンションが中心
駅周辺は別として、少し離れると、準工業地域、工業地域など、住居以外の用途地域も多く、まとまった土地が得やすいことから、最近の供給は大規模マンションが中心。数百戸以上の規模を持ち、共用施設の充実したタイプの物件です。永住を考えているファミリー対象なので、80m2、90m2といった、広めの3LDK、4LDKなどが中心で、価格は4000万円前後が中心といったところ。駅から距離はありますが、東急田園都市線の隣駅、梶ヶ谷などと比べると、土地が平坦なので、自転車利用もそれほど苦痛ではないはず。実際、駅周辺には、川崎市が運営する自転車置き場、バイク置き場などがあちこちに用意されています。

駅周辺ではコンパクトな1LDK、2LDKなどが多く、専有面積では60m2前後など。価格は3000万円前後からです。

パークシティ溝の口
築年数が経っていても、立地、管理、そして物件の全体計画がしっかりしていれば価値が落ちないという見本
中古物件でダントツに人気を誇るのが、駅からほんの1~2分、商店街を抜けた場所にある「パークシティ溝の口」。1984年の竣工なので、すでに20年以上経っているのですが、日本で始めて歩行者と車を完全分離させる集中立体駐車場を取り入れたり、ショッピングセンターを併設する複合開発の走りであったりと、先駆的な試みがあり、また、3LDKで75m2前後と、今でも十分通用する広さがあることが人気の秘密。価格は前出の広さで3400万円近くです。

その他の中古物件も広めが多く、駅から10分以内で、80m2、90m2の3LDK、4LDKが3500万円前後といったところです。

マンションと同じ予算で一戸建ても
ただし、駅からは徒歩20分、バス便利用なども



駅前のバスターミナル
駅の南口、北口ともにバスターミナルがあり、本数も多い
この地域ではマンションも一戸建てもほぼ同じくらいの予算から購入できます。3500万円の予算があれば、土地面積60m2内外の4LDK新築一戸建てが購入できますが、駅からはバスで15分以上、あるいは歩いて20分、25分かかることに。中古なら、徒歩10分前後の場所でやはり、同じくらいの予算。


つまり、この街では同じ予算での選択肢が広く、駅から近いマンションなのか、遠いけれど一戸建てなのかなど、自分の暮らしに合わせて住まいを選ぶことができるのです。これは、この街ならではの住宅事情かもしれません。

高津区役所
高津区役所は駅の南口、まだ開発の進んでいないエリアにある
ひとつ、注意していただきたいのは、駅から離れると行政区が異なる場合があること。駅周辺は川崎市高津区ですが、場所によっては宮前区、麻生区になります。当然、学校や利用する自治体の役所などが違ってきますので、そのあたりは確認が必要です。


お手ごろ物件からデザイナーズまで
バリエーション豊富な賃貸物件



大山道沿いの建築現場
大山道周辺を中心に、建設が進む賃貸住宅。コンクリート打ち放しの外観もよく見かける
この街は賃貸でもいろいろな物件を探せます。ワンルーム、1Kで4万円、5万円というお手ごろな物件もあれば、同じ単身者向きでもデザイナーズ、分譲タイプでは10万円以上、15万円近くという物件も。中心となっているのは7万円前後。同様に2DKでは9万円~が目安です。


田園都市線複々線化で都心直結、
溝の口はまだまだ変わる!



多摩川を渡る大井町線
大井町線では大岡山の駅改良工事が終わり、目黒線への乗り換えが可能になる日に備えている
さて、駅前再開発は一段落しましたが、この街の変化はまだ、終わっていません。現在東急電鉄は大井町線の改良と田園都市線の複々線化を進めています。田園都市線に乗ると、二子玉川から溝の口にかけて、工事現場が見られますが、これは複々線化のためのもの。これが完成すると、今まで二子玉川までだった大井町線が溝の口まで延伸します。


丸の内仲通り
今でも便利な溝の口が都心直結となれば、ますます人気は高まるはず
すると、大井町まで直通で、しかも、これまでより10分弱早く行けるようになるのはもちろん、大岡山で東急目黒線に乗り換えれば、目黒までも10分以上早く行けるようになります。そして、目黒線には東京メトロ三田線、南北線が乗り入れていますから、渋谷を経由せずに都心に直接アクセスできるようになるのです。従来通り、渋谷に向かうにしても混雑は緩和されるはずなので、溝の口の利便性はさらに向上するはず。完成の目標は2015年度です。


また、街中でも商店街の電柱、電線をなくすための工事や大山道を振興しようというプロジェクトなども進んでおり、溝の口はこれから、もっと面白くなりそうです。

【シリーズバックナンバー】
「田園都市を代表する優雅な町『たまプラーザ』」
「坂と異国情緒の街『横浜(山手、元町)』
「歴史と未来が交差する街『みなとみらい周辺』
「港町横浜『関内、伊勢佐木町、中華街』
「マンションに新駅も登場、変わる『武蔵小杉』

【関連INDEX】
交通が便利な街
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