コンサルタントで働く/コンサルタントの仕事

サラリーマンコンサルタントになるな!(3ページ目)

連載最終回の今回は、コンサルタントを目指す人、現在コンサルタントの人へ、キャリアアップのアドバイスをいただきました。

執筆者:大石 哲之

--最後に、コンサルタントを目指す方々にアドバイスをお願いします。
問題意識を持ち続けること、これに尽きます。

世の中を広く見渡してみると、「どうもおかしいな」と疑問を抱くことは少なくないはずです。ただそれを漠然とした疑問にとどめるのではなく、形にしていくことです。「自分が経営者だったらこうする」という具体的な内容を、頭の中でシミュレーションする癖をつけると良いと思います。

コーヒーショップの例で言えば、低価格の外資系コーヒーショップが勢力を伸ばす一方で、未だにそれよりも高価格で勝負しているところもあります。それでも市場競争で勝ち残っています。「生き残りの源泉は果たしてどこにあるのか」と考えて欲しいのです。

自分が経営者だったら価格を下げるのか、それとも逆に価格を上げてもっと高級感を追求していくのか、どうやって自分のお店のコーヒーを競争相手のものと差別化していくのか、と。そういう風に経営側の視点に立って考えていくと、経営やマーケティングのセンスも磨かれていくのだろうと思います。

コンサルタントを目指す方には、どうやって自分の感性を磨いていくかということを常に主眼に置いて行動して頂きたいと思います。自分自身をコンサルティング会社にどうやって高く売るか、「戦略を考えて実行する」コンサルタントとしての実践の一歩だと思います。

--現在コンサルタントをされている方に対する、キャリアアップについてのアドバイスを。

コンサルティング業界に感じていることは「コンサルタントのサラリーマン化」です。

大規模なファームだと、極端に言えば仕事がなくても高い給与がもらえます。また、仕事に従事するときも、3ヶ月ないし6ヶ月我慢して取り組んでいれば、また次の仕事に移っていきます。昇進や昇給にしてもある程度は予想が出来ます。

しかし、果たしてそれに甘んじて良いのか考えて欲しいと思います。コンサルタントとして認めてもらうには、有名な会社に帰属することよりも、どこでも売れる能力を身につけることが重要だと気付いて欲しいと思います。

そのためには、先ほど述べたような経営者の視点で常に思案し続けることが必要です。そうした努力を伴わなければ、自分の将来の姿は、上司から言われたことをそのままやるだけのサラリーマンコンサルタントかも知れません。

繰り返しになりますが、たとえ会社に属していたとしても、リスクを負って新たな会社に飛び出すにしても、求められることは同じなのです。自分を進化させるには、状況に甘んじない強靭な意志、そして常に物事を問いただす姿勢だと思います。

「プロフェッショナル」かどうか自問自答すること、5年後の自分を描くこと、そこへ到達するためのステップを描くことを実践して欲しいと思います。
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