「論理力を鍛えるトレーニングブック」の活用法
本の前半1/3は、演繹法、帰納法などの基本的な論理の解説にはじまって、ロジックツリーやMECE、So What?などの基本的なロジカルシンキングのツールについて簡単な解説があります。これは、おさらいの意味で読んでおくのがいいでしょう。後半2/3は、講義形式のトレーニングです。5つのステップにわかれ、20のレクチャーが書かれています。
STEP1 与えられた情報から確実にいえることを判断する
日韓電気メーカー、ベトナム退役軍人、住宅金融公庫など6つの実践的な例題が出ています
STEP2 短い命題の論理の穴を発見する
IT導入、セクショナリズム、残業、狂牛病など5つの例題がでています
STEP3 会話をしながらイシューを押さえる
業務改善、一人遊び、など3つの例題が出ています
STEP4 長文の論理を構造化して理解する
公害白書、土地関連税制、夫婦別姓、など3つの例題
STEP5 ロジックの弱点を発見し、効果的に主張を作る
STEP4の3つの例題を発展させた問題
とくにSTEP3の「イシューを押さえる」のところは、類似のトレーニング問題をあまり見かけないので、非常にためになります。だらだらとした会話が1ページほどあって、これから、So What?をつかって、イシュー(課題)となることを考えていくというものです。これはコンサルタントのコミュニケーションの基礎的な方法でもあり、インタビューやヒアリングの実践的な手法でもあります。非常に応用の広いものです。20問のレクチャーを真剣に取り組めば、ロジカルシンキングの基礎の「コツ」のようなものがつかめるのではないかと思います。
また、続編として、「論理力を鍛えるトレーニングブック -意思伝達編-」も出ています。これはずばりロジカルシンキングで構成された企画の作り方のレクチャーになっています。こちらはまたご紹介したいと思います。