仕事の方法(アプローチ)によって、4つの分類に分かれます。「問題解決型」「研修型」「プロデュース型」「評論型」です。今回は、「研修型」についてお話します。
研修型のコンサルティング
このコンサルティングスタイルは、「問題解決」というより「知識・経験・ノウハウ」の移転に重点がおかれています。このスタイルでは、お客さんが足りない・弱いと思っている知識やノウハウを把握し、従業員に身につけさせるというのがコンサルティングの主眼になります。接客コンサルタントで言えば、接客研修を通して、ノウハウのない新人を教育します。お客さんが心地よいと思う接客術やトラブル時の正しい対処法などがメニューになるでしょう。接客の先生が、過去の経験から培った「接客の極意」というものを教えるわけです。
この「接客の極意」というのは、およそ接客であればどのようなものにでも使える普遍的なものです。そういう普遍的な極意集のなかから研修を受ける側のスキルなどに合わせて、いくつかメニューを組み合わせて研修を提供します。
問題解決型のコンサルティングが完全オーダーメイドであるのに対して、この研修型は、あらかじめパッケージされたノウハウ集を、必要なモノだけ購入するような感じです。
問題解決型と決定的に違う点は、「解決法がすでに存在している」ということです。例えば、接客コンサルタントであれば、次のような事柄は「普遍的に通用するノウハウ」になり、どのお客さんに対しても当てはまるわけです。
- お客様が心地よく思う挨拶
- 清潔感を与えるメイク・服装
- オーダーミスの場合の正しい対処法
- お客様本意の接客の考え方
メイクや服装はそのコンサルタントの言うようにしてみれば、必ず好感度が上がるものです。
これらのコンサルティングが成り立つ背景には、コンサルタントとお客さんの間に「知識や経験のギャップ」が存在することが大前提となります。ホテル経験何十年のベテランに、接客コンサルタントが何かアドバイスすることがあるかというと、実のところ微妙です。経験不足の若手をトレーニングするというのが、コンサルティングの主眼になってきます。
研修型のコンサルタントは、各業界にあります。対象となるテーマや業界によって○×コンサルタントというのは無数に存在することになります。研修型のコンサルタントを広義に捉えるとどうなるでしょうか? 広義に捉えれば、ボクシングトレーナーやゴルフコーチも、ノウハウの移転・教授という意味ではこの範囲に入るのかも知れません。つまりは、「先生」と捉えていただくと、一番わかりやすいのかもしれません。
研修型コンサルタントの特徴は、
- コーチングメニューが存在
- 提示する解決法はパッケージ化されている
- 研修会型
- 講師のノウハウ・経験を体系化したものを学ぶ・身につける
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