高齢者を受け入れる学校
一方、高齢者を受け入れている医学部もある。例えば熊本大学では、医学部を卒業した66歳の男性が、2003年、医師国家試験に合格している。また、医学部に限らなければ、多くの大学・大学院は、少子化の影響もあり、年齢を問わず広く門戸を開いており、真面目で勉強熱心な社会人学生は、教授陣にも好評で、さらに他の学生のやる気を刺激すると大学側から歓迎されている。
多額の税金投資? 若者だけが受けられる特権?
医師を1人育てるためにかかる費用は、数千万~1億近くかかるとされている。国立大学法人の場合、その費用の多くが税金投入である。多額の税金がかかっているからこそ、1人立ちした後は、長く医療の世界で活躍、貢献して欲しい、という見解から、年齢制限を課すのは仕方ない、という意見は根強い。もし「若い医師だけを育てたい」というのがその大学の方針ならば、大学はそのことをきちんと明言すべきだ。受験生は受験料を払って試験を受けている。もし年齢が不利になるという事実があるのなら、高齢の受験生が費やす時間もお金も労力も無駄になってしまう。
しかし、大学入学資格に年齢制限を設けても問題はないのか、疑問は残る。また、若い医師が高齢の医師より優れているかの判断は難しいし、長く医療の世界で活躍できるとも限らない。
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