同じ内容を話しても、話し手によって印象は大きく変わります。例えば、頼りなさげな人と大統領演説のような風格で話す人が全く同じ原稿を読んだとしても、聞き手の印象は同じにならないはずです。ここでは、話の内容以外の部分=非言語にフォーカスして好印象を得るコツについてお話します。

無意識に発信している表情や態度が印象を決める

自分では意識していない視線やしぐさも相手に様々な印象を与えます

自分では意識していない視線やしぐさも、相手に様々な印象を与えます

話し方で相手から悪い印象を感じた時のことを思い出してください。

おどおどしている、声が小さい、視線が泳いでいる、語尾が小さくなる……。話す内容以外の部分が多く思い浮かぶことに気がつくでしょう。今度は同様に、話し方で良い印象を感じた時のことを思い出してみましょう。ハキハキしている、笑顔が爽やか、感じがいい、自信を感じる……。こちらも言語以外の部分が思い浮かぶでしょう。

話し手は、話す内容や言い回しなど、自分が意識して発信している部分に気をとられがち。しかし、印象を形成するのは、発信者が無意識に発信している言葉以外の部分=非言語が大きな割合を占めているのです。

コミュニケーションは、考え→発信→受信→理解というプロセスを経て相手に伝わります。この発信部分には、話し手が意識的に発信する情報のほかに、無意識に発信する情報が多く含まれます。例えば、視線の強さであったり、姿勢であったり、ふてくされているような感じであったり、自信のなさであったり、自分では気がつかないうちに発信している情報も含め、多くの情報が相手に受信されて解釈されます。

同じ人でも立場や状況で大きく印象は変わる

 先日、同じ人でもこんなに印象が変わるのかと実感した出来事がありました。
ある地方都市で講演会に呼んでいただき、講演の後の懇親会で参加者の皆さんと交流をしていた時のことです。ある参加者の方達がサプライズでゴスペルの演奏をプレゼントしてくださいました。

話しをしていた時は奥ゆかしく、自信なさげな印象だった彼女たちがゴスペルを歌いはじめた途端、目をキラキラさせ、魂から喜びが溢れんばかりにパフォーマンスを見せてくれたのです。自信に充ち溢れ、誰が見てもエネルギッシュなその様子は、先程の人と同一人物とは思えないほど。先程話しをした女性とは別人のように魅力的に映りました。

魅力的に見えることは、伝え方・話し方では非常に重要な要素になります。なぜなら、魅力的に見えると「判断のゆがみ(魅力バイアス)」が生じ、話している内容についても好意的な印象を持ってしまうことがわかっているからです。