子供用補助輪付き自転車……将来のためにしっかりした自転車を選ぼう
補助輪付きの自転車を選ぶ際のポイントは?
とくに2歳~5歳の幼児に子供用自転車を選ぼうとする場合、補助輪があるがために自転車選びのポイントを「三輪車」と混同しがちです。でも、補助輪が取れれば自転車として公道を一人で走るわけですから、きちんと「乗り物」としての選び方をしたほうが間違いないでしょう。
補助輪付きの自転車を選ぶ際のポイントについて、まとめてみました。
補助輪はしっかりとしたものが付いていますか?
ボルトの部分はプラスチックカバーなどで覆われていると安心
補助輪はほとんどがプラスチックでできています。そのため、走り続けているうちにどんどん削れてしまいます。今では少なくなりましたが、少し前まで粗悪な製品の中には非常にやわなプラスチックを用いた補助輪をつけているものがありました。これではあっという間に補助輪が痛み、買い換えなくてはなりません。
また、補助輪を取り付けるボルトの部分がそのまま露出していると、万が一足を挟んだ場合に皮膚を傷つけやすくなってしまいます。ボルトはむき出しでなく、プラスチックのカバーなどが付いていると安心です。
足が地面につきますか?
少しでも長く乗れるように、大きめのサイズを購入したいと考える方は多いかもしれません。でも、ちょっと待って!サドルを一番低い位置にした状態で、お子さんの足がきちんと地面に着くでしょうか?
子供は握力が弱く、ブレーキだけでは急に止まることが難しく、とっさの場合には足を地面につけて止めることもよくあります。そのため、足がきちんと地面に着くというのは、補助輪がある頃から大切なポイントの一つなのです。
サドルはクイックリリース式だと調整しやすい
レバーを開くと、ネジの締め付けが緩む仕組みの「クイックリリース」
サドルの高さは頻繁に変える場所のひとつ。とくに2~4歳にかけては背の伸び方も激しく、1年間で15cm近く伸びる子もいます。ですから、サドルの調整はクイックリリース式という、レバータイプのものがおすすめです。
アーレンキー(六角レンチ)で締めるタイプに比べると固定力はやや劣りますが、外に出てからも簡単にサドルを調整できるのは大変便利です。クイックリリースは、「ちょっときついかも」と思うくらいでちょうどよい締め具合と考えてください。
また、サドルには高くできる限界というものもあり、その限界点はシートポスト(サドルと自転車をつなぐパイプ)の部分に刻印されていることがほとんどです。その限界点を超えてサドルを上げてしまうと、乗車中にサドルが取れる可能性もありますから絶対にやめましょう。
手押し棒や、着脱式のペダルが付いているか
ワンタッチ式でない場合は、ペダルレンチや8mmのアーレンキーなどで着脱できる
補助輪付きならではのオプションとして、手押し棒や着脱式のペダルが上げられます。詳細についてはこちらで解説しましたが、手押し棒はほとんどが後付できます(BMXタイプの自転車などを除く)。どうしても舵取り機能が欲しいのであれば、選択肢はぐっと狭まります。
また、ペダルはワンタッチ着脱機能ができなくても工具さえあれば着脱できますが、そのためにはペダルレンチや大きなアーレンキー(六角レンチ)が必要となります。ワンタッチ式のほうがわざわざ工具を買ったり自転車店に持ち込む必要がないだけでなく、補助輪外しの練習の際にいくらでも着脱しやすいというメリットがあります。
ブレーキの種類を確認
国内ブランドの幼児用自転車は、ほぼハンドブレーキが付いていますが、海外ブランドのものは片方しかブレーキが付いていないものがあります。これはローラーブレーキ(ドラムブレーキ)を採用しているモデルを日本で発売するために、法制上ハンドブレーキを取り付けているから。ブレーキについての仕組みはこちらでも解説しています。
ローラーブレーキのメリットとしては、握力がなくてもペダルの動きが制動力となり、小さい子供でもしっかり止まりやすいことがあげられます。
一方で「ハンドブレーキが必須の日本において、手でブレーキをかける習慣が付きにくいのは危険でないか」「ハンドブレーキだけを使おうとした場合、片手分しか付いていないモデルだと制動力が弱い」という声もあります。
ちなみに海外モデルの場合、商品写真にはハンドブレーキが付いていないものも多いですが、これは本国の商品写真をそのまま掲載しているから。実際に販売する製品には、ハンドブレーキが付いているはずですからご安心ください(万が一全くハンドブレーキが付いていなければ、正規輸入品ではない可能性があります)。
ハンドルは余裕を持って握れますか?
サドルを下げて足が地面についてもハンドルとサドルの位置が遠く、腕を伸ばしきったり前かがみにならないとハンドルを握れない、というのも避けましょう。乗っていて疲れるばかりか、どうしても目線が下がり危険を予測しづらかったり、バランスがとれずに補助輪を外すのが難しくなってしまいます。
自転車のサイズはタイヤの大きさだけでなく、個々のデザインによってフレームサイズやハンドル形状が異なります。同じ14インチというサイズ表記でも、ハンドルに余裕で手が届くものとそうでないものがあるかもしれません。とくにサイズ選びが難しい3歳頃は、数字だけのサイズ表記に惑わされず、しっかり試乗することをおすすめします。
ブレーキレバーはきちんと引けますか?
握り幅は自転車店で調整が可能だ
子どもの小さい手では、ブレーキレバーが握れないこともあります。ブレーキレバーは自転車のサイズによって大きく変わるものではありませんが、お店の人に頼めば握り幅を狭めてくれます。もし限界まで調整してもうまく握れなければ、自転車に乗るのはもう少し先にするか、公道では親が手押し棒を押して移動するようにしたほうが良いでしょう。
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