かつては神戸文化の中心地
映画が最大の娯楽であった時代、新開地も大歓楽街であった。今も商店街の案内看板が「カチンコ」をモチーフにしていたり、大衆演劇が賑わっていたり、名残を感じさせる風景がある |
往年の新開地を知る人にとっては、新開地=映画館、となります。周辺には映画館・劇場が合わせて20以上もあり、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」で有名な神戸出身の淀川長治さんもよく訪れていたそうです。
戦前から昭和30年代迄は、国民的娯楽であった映画とともに活気に満ちていた新開地ですが、その後は映画人気の衰退と映画館等の娯楽施設の閉鎖、地元大手企業の移転などが続き、そして阪神淡路大震災によるダメージによって長い冬の時代を迎えます。
しかし現在は、地元の住民や商店街の方の頑張りもあり「新開地映画祭」「新開地寄席」等のイベント開催などで街に活気も戻り、往年とは違う形での街の魅力を発信しています。
繁栄→衰退→そして復活、とこの図式、大阪の堀江界隈と少し重なるものがあります。
「新開地」駅不要!? 6線9駅利用可能
これだけ複数路線の駅が集中して存在するエリアも稀である。上は市営地下鉄「上沢」駅、下は各線「湊川(公園)」駅。JR線以外は地下を走る。 |
神戸高速鉄道「新開地」駅は、東西方向で阪急電車・阪神電車・山陽電車、北に向かっては神戸電鉄の合計4社の列車が乗り入れするターミナル駅。とりわけ東西方向の移動については、同じ駅を利用しつつ行先に応じて電車を選択することが可能です。
また各社路線はこの近辺の駅間距離が短いため、周辺には多数の駅が存在します。
高速神戸鉄道の前後の駅は、三宮側(東側)の「高速神戸」駅まで徒歩約5分、西側の「大開」駅まで徒歩約10分。「高速神戸」駅はJR「神戸」駅北側ロータリーのすぐ北側にありますし、「大開」駅からJR「兵庫」駅までは徒歩約5分。
山側に5分ほど歩くと神戸電鉄「湊川」駅。電車に乗ろうとすると……待ってる間に歩いて着いてしまうくらいの距離です。
ここには神戸市営地下鉄「湊川公園」駅もあり、乗り換え可能。前後の駅である神戸市営地下鉄「大倉山」駅・「上沢」駅はそれぞれ徒歩10分強。
というわけで「新開地」駅を中心にこのあたりには「新開地」駅を含み6線9駅が徒歩圏内に密集!「新開地」駅自体がなくっても全く困らないのでは?
そんな便利な新開地。次頁では周辺街並みを紹介して回ります。